【ECGは非対応】Galaxy Watch9/Ultra2|日本版で何が使えるのか

4.0
Galaxy Watch9とGalaxy Watch Ultra2の2機種が並んだ製品画像 その他製品
Galaxy Watch9(左)とGalaxy Watch Ultra2(右)。日本発売は2026年8月7日。引用: https://news.samsung.com/jp/galaxy-watch-pre-orders-start-2026

サムスンのスマートウォッチ新モデル、Galaxy Watch9Galaxy Watch Ultra2が2026年8月7日に発売されます。Galaxy Z Fold8シリーズと同じ日の発売で、予約はすでに始まっています。

今回のポイントは、新機能そのものよりも「日本版で何が使えて、何が使えないのか」にあります。海外のレビューを読んで期待した機能が日本では動かない、装着した初日には数値が出ない、といったズレが起きやすい世代だからです。公式の脚注まで確認して整理します。

2モデルのスペック比較

まず主要スペックを並べます。

項目Watch9 40mmWatch9 44mmWatch Ultra2 47mm
価格(税込・Bluetooth)67,980円73,370円
価格(税込・LTE)84,480円89,870円137,280円
ディスプレイ約1.34型 438×438約1.47型 480×480約1.52型 498×498
最大輝度3,000nits3,000nits5,000nits
バッテリー390mAh445mAh800mAh
駆動時間(AODオフ)最大40時間最大40時間最大80時間
ストレージ32GB32GB64GB
素材アーマーアルミニウム同左チタニウム
重量31.5g34.0g61.5g
厚さ8.6mm8.6mm10.7mm
防水・防塵5ATM/IP68同左10ATM/IP69K/EN13319

SoCは3モデルともSnapdragon Wear Elite(SDW6100)で、前世代のExynos W1000からチップベンダーごと変更されました。3nmプロセスで、サムスン公称でCPU 32%・GPU 19%の向上です。OSはWear OS 7.0ベースのOne UI 9 Watch。

なおWatch9のバッテリー容量は情報源が食い違っています。サムスン公式とケータイ Watchは390mAh/445mAhですが、ITmediaは300mAh/425mAhと報じています。ここでは公式の数値を採用しました。

日本版で使えない機能がある

ここが今回いちばん重要な部分です。

日本版のGalaxy Watch9・Watch Ultra2は、心電図(ECG)測定と5G通信に非対応です。ITmedia Mobileが「どちらのモデルも5G通信および心電図測定には非対応」と明記しています。

興味深いのは、サムスンの製品ページには「電気心拍センサー」がセンサー一覧に載っていることです。ハードウェアは搭載されているのに日本では機能が有効化されない、従来と同じ構図ですね。

ただしサムスン公式のプレスリリースにはECGについての記述が一切ありません。脚注12本を確認しましたが言及ゼロで、理由や今後の対応を説明した公式文書は見つかりませんでした。

血圧測定については、非対応と明言した公式発表も報道も確認できませんでした。 ITmediaが名指ししたのはECGと5Gの2つだけです。重視される方は購入前にメーカーへご確認ください。

新AI健康機能は「装着してすぐ」は使えない

今回の目玉は5つの新しい健康機能です。ただし、ここにも誤解しやすい点があります。

機能名(公式表記)内容必要な条件
バイタルサイン起床時に夜間の5つの生体シグナル(心拍数・心拍数変動・呼吸数・皮膚温・血中酸素)を分析睡眠データ最低7日分
心臓の健康スコア睡眠・ストレス・活動量に体組成を組み合わせた単一指標24時間の連続装着対応するGalaxyスマホ
1日の有酸素運動負荷蓄積された心血管負荷を測定し、目標と休息を提案活動記録7日分(精度向上には28日推奨)
フィットネス指数同年代・同条件のユーザーと比較した基礎体力スコア体組成とVO2max各1回+活動2日分
聴覚周囲の騒音レベルをモニタリング手動での有効化が必要

多くの媒体がプレスリリースの機能一覧をそのまま載せていますが、実際には最短7日、精度を求めるなら28日の装着が必要です。発売日に手首に着けて、その日のうちに全部の数値が並ぶわけではありません。

Galaxy Watch9が5台並び、睡眠時無呼吸・心臓の健康スコア・ランニング・バイタルサインの画面を表示している
新しい健康機能の画面。ただし心臓の健康スコアやバイタルサインは、装着してデータが貯まるまで数値が出ない。引用: https://news.samsung.com/global/samsung-galaxy-watch-ultra2-and-watch9-your-health-companion-on-the-wrist

とくに引っかかるのが「心臓の健康スコア」で、公式脚注に「対応するSamsung Galaxyスマートフォンが必要」と明記されている点です。Galaxy以外のAndroid端末では使えません。前世代から批判されていた設計で、今回も解消されていません。

なお後日提供が公式に明記されているのは1つだけで、Ultra2専用のMares共同開発ダイブコンピューター機能です。脚注に「今年後半より」提供、Wear OS機ではUltra2に2年間独占とあります。

「新機能は2026年10月以降に段階的に拡張される」とITmediaが報じていますが、サムスン公式はこの時期を明言していません

Ultra2は本気の刷新、Watch9は据え置き感

同じ世代でも、2モデルの進化幅はかなり違います。

Watch Ultra2は前モデルから明確に強化されました。バッテリーが590mAh→800mAh(+35%)、厚さが12.1mm→10.7mm(12%薄型化)、最大輝度が約3,000→5,000nits、ストレージが32→64GB。薄くしながら容量を増やすのは本来トレードオフなので、ここは素直に評価できます。防塵もIP68からIP69Kへ上がり、Galaxy Watchとして初めてEN13319(ダイビング機器の国際規格)を取得して水深40mまで対応しました。

Galaxy Watch Ultra2のチタニウム筐体と、緑のウォッチフェイスを表示した画面
Galaxy Watch Ultra2はチタニウム筐体で厚さ10.7mm。前モデルから12%薄型化しながらバッテリーを800mAhへ増やした。引用: https://news.samsung.com/global/samsung-galaxy-watch-ultra2-and-watch9-your-health-companion-on-the-wrist

一方のWatch9はSoCの変更が主な進化です。バッテリーは390mAh/445mAhでGSMArenaは「増加はわずか」と評し、最大輝度も3,000nitsで据え置き。Trusted Reviewsは「抜本的な刷新ではなく漸進的アップデート」と表現していました。

海外の実測は悪くありません。WareableはUltra2を実測で4日間連続使用できたと報告し、心拍精度も胸ストラップとの比較でほぼ一致(屋外ランで156.44bpm対156.04bpm)としています。弱点として挙げられているのは、回転ベゼルもデジタルクラウンもないという物理入力の欠如でした。

価格と買い方は4通り

販路が分かれているので整理します。サムスン直販(オンラインショップ、Galaxy Harajuku、Galaxy Studio Osaka)は全モデル、ドコモはLTEモデルのみで価格は直販と同額(いつでもカエドキプログラム利用でWatch9 40mmが実質58,080円、Ultra2が実質81,840円・税込)。auはWatch9のLTE・Bluetooth両方とUltra2を扱いますが、本体価格は公表資料に記載がありません

キャンペーンは締切が近いものが多いので注意してください。

  • auの割引(LTEモデル): Watch9が4,400円割引、Ultra2が6,600円割引。8月23日23:59まで
  • ドコモの予約特典: dポイント進呈(Watch9 4,000pt/Ultra2 6,000pt)。8月6日までに予約
  • サムスン直販のバンド30%OFF: 本体と同時購入が条件。8月21日9:59まで
  • Galaxy Z同時購入10%OFF: Fold8シリーズと同時予約購入でWatchが10%OFF。8月6日まで

最後のものは、同日発売のGalaxy Z Fold8シリーズと組み合わせる方向けです。折りたたみ側の内容はこちらにまとめています。

気になるポイント

魅力もありますが、購入前に引っかかる点を挙げます。

  • 日本版はECGと5Gが使えない。海外レビューを読んで期待すると食い違います
  • 新機能は装着してすぐには数値が出ない。最短7日、精度を求めるなら28日の蓄積が必要です
  • 心臓の健康スコアはGalaxyスマホが必須。他社Androidでは使えません
  • iPhoneには非対応。対応条件はAndroid 13以上、メモリ1.5GB以上です
  • 物理的な操作系がない。回転ベゼルもクラウンもなく、タッチ操作依存のままです
  • Ultra2は前モデルから値上げされています

「心臓の健康スコア」のようにGalaxyスマホを前提とする機能がある以上、母艦のスマホ選びも判断材料になります。

よくある質問(FAQ)

Q
日本版で心電図は測れますか?
A

測れません。ITmedia Mobileが5G通信とあわせて非対応と明記しています。電気心拍センサーは搭載されていますが、日本では機能が有効化されません。

Q
血圧測定は使えますか?
A

非対応と明言した公式発表・報道は確認できませんでした。使えるとも使えないとも判断できない状態のため、重視される方は購入前にメーカーへご確認ください。

Q
新しい健康機能は発売日から全部使えますか?
A

使えません。バイタルサインは睡眠データ7日分、1日の有酸素運動負荷は活動記録7日分(精度向上には28日推奨)が必要です。また心臓の健康スコアには対応するGalaxyスマートフォンが要ります。

Q
Watch9とWatch Ultra2はどちらを選ぶべきですか?
A

進化幅で言えばUltra2が明確に上です。バッテリー+35%、12%薄型化、輝度5,000nits、ストレージ64GBと全方位で強化されています。Watch9はSoC変更が主で、バッテリーと輝度はほぼ据え置きです。

Q
iPhoneでも使えますか?
A

使えません。対応条件はAndroid 13以上、メモリ1.5GB以上です。さらに一部の健康機能はGalaxyスマートフォンが必要になります。

まとめ

Galaxy Watch9とWatch Ultra2は、製品としての完成度と、日本で実際に使える範囲にギャップがある世代でした。

  • 日本版はECGと5Gに非対応。血圧については公式の明言なし
  • 新AI健康機能5つは、最短7日・推奨28日のデータ蓄積が必要。発売日にすぐ使えるわけではない
  • 心臓の健康スコアは対応Galaxyスマホが必須
  • 後日提供が公式に明記されているのはMaresのダイビング機能のみ(今年後半・Ultra2に2年独占)
  • Ultra2は800mAh・10.7mm・5,000nits・64GBと全方位で強化。Watch9はSoC変更が主で据え置き感

現時点での評価

話題の中心であるWatch Ultra2について、発売前の公開情報と海外の実測レビューを踏まえて5項目で採点します。

  • ディスプレイ:★★★★☆ 4.5(5,000nitsで直射日光下でも完全に判読可能)
  • バッテリー:★★★★☆ 4.5(800mAh・実測4日間。GPS連続20時間)
  • 機能:★★★☆☆ 3.0(日本版はECG非対応。ダイビング機能も今年後半から)
  • 装着感:★★★★☆ 4.0(12%薄型化。ただし物理入力なし)
  • コストパフォーマンス:★★★☆☆ 3.0(137,280円。前モデルから値上げ)
  • 総合:★★★★☆ 4.0

私自身はスマートウォッチを日常的に使っていないので使用感を語る立場にはありませんが、公開情報を追った限りではUltra2はハードウェアとして素直に良くなっていると感じます。引っかかるのは製品側ではなく、日本で使える範囲の狭さのほうです。

購入を検討されている方は、海外レビューで語られている機能が日本でも動くのかを確認してからのほうが安全でしょう。予約特典の締切は8月6日のものが多いので、判断はお早めに。

プログラマー。高校時代のWALKMAN+Sonyイヤホンをきっかけに、10年以上にわたってオーディオを中心にガジェットを買い続けています。SONY XBA-A3は今も現役で愛用、Sonyワイヤレスイヤホンは3世代追いかけて進化を体感してきました。得意領域はイヤホン・ヘッドホン、4K有機ELテレビ、ゲーミングマウス、PC周辺機器。「自分が本気で買うつもりで判断軸を作る」スタンスで、後悔のない買い物のための情報を発信しています。

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