コスパの高いDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やDACアンプで知られるFiiOが、2026年も精力的に新製品を投入しています。R2R DACの拡大、純A級アンプ、トランスポート専用機、さらにはレトロ調のサブブランドまで、その展開は驚くほど多彩です。
ただ、ネット上ではこれらの情報が「確定」と「予告・噂」が入り混じって流れており、発売日や価格を鵜呑みにすると振り回されかねません。そこでこの記事では、FiiOの2026年ロードマップを「すでに発売済みのもの」と「まだ予告段階のもの」に切り分けて整理します。特に注目度の高いR7 R2R・DP11・M21Tの現在地もはっきりさせます。
なお本記事は発売を断定するものではなく、執筆時点で確認できた事実の整理です。時期・価格・名称は今後変わる前提でご覧ください。発売済みモデルの購入は、各製品ページや取扱店でご確認ください。
2026年FiiOの3つの潮流
個別製品の前に、今年のFiiOを貫く方向性を3つ押さえておくと全体像がつかみやすくなります。
ひとつ目は、R2R DACの全面展開です。高精度な抵抗器アレイとFPGA制御を組み合わせた独自の「R2R PROアーキテクチャ」を上位機に広げ、アナログ的な滑らかさと忠実性の両立を狙っています。ふたつ目は、モジュール化と用途特化。アンプを省いたトランスポート専用機や、DACを持たない純A級アンプなど、あえて機能を絞った愛好家向けモデルが目立ちます。みっつ目が、サブブランドによる新市場開拓で、レトロ調の「SNOWSKY」やコスパ重視・ゲーミング志向の「JadeAudio」を通じて、これまで届かなかった層に訴求しています。
すでに発売済みの確定モデル
まずは、国内代理店のエミライから正式発表され、すでに流通している=信頼度の高い確定情報のモデルです。
| 製品名 | 区分 | 状況 | 目安価格 |
|---|---|---|---|
| JM21 2026 | DAP | 発売済 | 実売 約39,600円 |
| M27 | フラッグシップDAP | 発売済 | 素材で変動 |
| M33 R2R | R2R搭載DAP | 発売済 | — |
| M21 | DAP | 発売済 | — |
| Snowsky DISC | CD風DAP | 発売済(5/22) | 実売 約17,930円 |
| ECHO MINI | レトロDAP | 発売済 | 実売 約1万円 |
たとえば「JM21 2026」は、RAMを4GB・ストレージを64GBへ増やし、Cirrus Logic製CS43198をデュアル搭載。バランス接続で最大700mW、バッテリーも3100mAhへ増量と、約4万円とは思えない中身です。「Snowsky DISC」はMDサイズの筐体に回転するアルバムアートギミックを備えたCDプレーヤー風DAPで、デザイン重視の層に刺さる一台です。
こうしたFiiOの音作りの根底にある「Hi-Fi(高忠実度)」という言葉の意味については、以下の記事で基礎から解説しています。R2RやDACの話を理解する土台になりますので、あわせてご覧ください。
注目の据置3機種:R7 R2R・DP11・M21T
ここからは予告段階の製品です。注目度が高い3機種を、確度を明示しながら紹介します。いずれも公式の確定発売日ではなく、価格未定・国内取り扱いも未公表である点を最初にお断りしておきます。
R7 R2Rは、人気の据置一体型ストリーマー「R7」の後継にあたるモデルです。SoCをSnapdragon 680へ強化し、最大の変更点としてデルタシグマ型から独自の完全パッシブR2RディスクリートDAC回路へ換装すると伝えられています。FiiOのCEOが「2025年にできなかったタスク」として2026年に持ち越したと公言しており、開発自体の確度は高めです。二次情報では「2026年6月予定」とされますが、公式確定ではありません。
DP11は、据置システム向けのCD再生専用機(CDトランスポート)です。KシリーズのDACアンプとデジタル接続して使う前提で、多機能を盛らずCD再生に特化することで音質とコスパを両立する設計思想とされています。こちらも二次情報で「2026年6月予定」とされる段階です。
M21T(仮称)は、DAPのM21からDAC・アンプ回路を省いた「デジタルトランスポート専用機」です。外部DACと組み合わせて使う、かなりマニアックな構成です。注目すべきは、CEO自身が存在を明言している(準一次情報)一方で、製品名は今も「仮称」扱いという点。CEOは「市場は小さいが、長年のユーザーへの恩返しとして作る」と語っており、コンセプトは固まっているものの、最終的な名称や時期は変動する前提で捉えるべきです。
据置アンプの多様化
アンプ系も設計思想を細分化しています。以下はいずれも予告(ティザー)段階で、時期・価格は流動的です。
| 製品名 | 種別 | 状況 | 言及されている時期 |
|---|---|---|---|
| FiiO CLASS A | 純A級アンプ(DAC非搭載) | 予告のみ | 2026年7月予定 |
| K17 R2R | R2R PRO据置DACアンプ | 予告のみ | 2026年7月予定 |
| K13(標準版) | デルタシグマ据置DACアンプ | 予告のみ | 2026年11月予定 |
| KG13 | ゲーミングアンプ | 予告のみ | 2026年9月予定 |
| GIGAS シリーズ | アンプ3製品構成 | 予告のみ | 2026年内 |
「FiiO CLASS A」は、測定値より音の温かみを優先する純A級アンプ。発熱や効率の悪さを許容してでも音楽性を狙う、エンスージアスト向けの割り切った製品です。「KG13」は北米eスポーツ市場を意識したゲーミングアンプで、FiiOがゲーミング領域へ踏み込む象徴的なモデルと言えます。いずれも中国国内価格の目安(CLASS Aは2500元以下、KG13は1000元以下)が語られている段階で、国内価格は未定です。
国内(エミライ)取り扱いの注意点
最後に、いちばん混同しやすい「グローバルの予告」と「日本での発売」の違いを整理します。
JM21 2026・M27・M33 R2R・M21、そしてSnowsky DISC・ECHO MINIは、エミライから国内発売が正式に発表された確定情報です。一方、本記事で取り上げたR7 R2R・DP11・M21T、そして据置アンプ群(CLASS A・K17 R2R・K13・KG13)は、いずれもグローバルでの開発予告やCEO発言の段階に留まり、日本での取り扱い・価格・発売日は一切未公表です。「海外で発表=日本で買える」ではない点に注意してください。
よくある質問(Q&A)
- QR7 R2R・DP11・M21Tはいつ発売されますか?
- A
二次情報で「2026年6月予定」と語られていますが、メーカー公式の確定発売日ではありません。価格も未定です。
- QM21Tという名前は確定ですか?
- A
いいえ。CEOが製品の存在は明言していますが、現時点では「仮称」です。最終的な名称や型番は変わる可能性があります。
- Qこれらは日本で買えますか?
- A
R7 R2RやM21Tなど予告段階の製品は、国内代理店エミライからの取り扱い発表がまだありません。JM21 2026やSnowsky DISCは国内発売済みです。
- QR2Rとは何ですか?
- A
抵抗器を使ってデジタル信号をアナログに変換する方式で、滑らかでアナログ的な音色が魅力とされます。FiiOは独自のR2R PRO技術で展開しています。
まとめ
FiiOの2026年は、R2Rの拡大とともに「機能を絞って特化する」方向へ大きく舵を切った一年と言えます。トランスポート専用のM21T、CD特化のDP11、DAC非搭載の純A級CLASS Aなど、複雑なシステムを組む愛好家に向けた製品が並びます。
- 確定(国内発売済み): JM21 2026、M27、M33 R2R、M21、Snowsky DISC、ECHO MINI
- 予告段階(時期・価格・国内未定): R7 R2R、DP11、M21T(仮称)、CLASS A、K17 R2R、K13、KG13
- 読み方の注意: 「2026年6月予定」等は二次情報であり、公式確定ではない
私自身、Victor WOOD master HA-FW5000TやDENON Perl Proを愛用し、時間があればe☆イヤホンで聴き比べをするのが習慣なので、FiiOがここまでマニアックな専用機を出してくる流れは素直にワクワクします。とはいえ、現時点で確実なのは発売済みモデルだけ。R7 R2RやM21Tが気になる方は、エミライからの正式アナウンスを待つのが安全です。続報が入り次第、この記事も更新していきます。

