【ゼンハイザー音質完成形】Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4 完全レビュー|aptX Lossless対応の実力を検証

5.0
MOMENTUM True Wireless 4 イヤホン

完全ワイヤレスイヤホン市場が成熟期に入り、各メーカーがフラッグシップモデルでしのぎを削る2026年現在。その中で、80年以上にわたってプロオーディオの世界を支えてきたドイツの音響ブランド、ゼンハイザー(Sennheiser)の完全ワイヤレスフラッグシップ「MOMENTUM True Wireless 4」(以下、MTW4)は、独自の音響哲学を貫きつつ、最新ワイヤレス規格を高い水準で取り込んだ完成度の高い1台として今もなお注目を集めています。

私自身、ハイエンドの完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際は「ノイキャン性能」「コーデック対応」「装着感」「バッテリー」「ブランドの音響哲学」のバランスを重視するのですが、本機はこの5つの要素すべてで上位水準を達成している珍しい1台です。一方で、Sony WF-1000XM6やBose QuietComfort Ultra Earbuds 第2世代といった2025〜2026年の最新フラッグシップが登場した今、MTW4が立つ位置や強み、そして弱みも改めて整理する必要があります。

この記事では、2026年4月時点の最新情報をベースに、MTW4のスペック・機能・実力を徹底解説します。aptX LosslessやIP54、30時間バッテリーといったキースペックの実用的な意味を、競合機種との比較も交えながら明らかにします。購入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

※本記事は2024年9月5日に初稿公開、2026年4月25日に最新の市場環境・競合機種情報を反映して全面更新しました。

MOMENTUM True Wireless 4|製品スペック

まずはMTW4の基本スペックを確認しましょう。2024年3月発売モデルですが、2026年現在でも一級線級のスペックを保持しています。

項目仕様
製品名Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4
国内発売日2024年3月1日
メーカー希望小売価格税込 49,940円(発売時)
ドライバー7mm TrueResponse ダイナミックトランスデューサー(自社開発)
周波数特性5Hz〜21,000Hz
BluetoothバージョンBluetooth 5.4(LE Audio/Auracast対応)
対応コーデックaptX Lossless/aptX Adaptive/aptX/AAC/SBC/LC3(Snapdragon Sound対応)
ノイズキャンセリングハイブリッドアダプティブANC
マイク6マイクシステム(片側3基×左右、ビームフォーミングアレイ)
バッテリー持続時間本体最大7.5時間/ケース込み最大30時間
充電時間フル約1.5時間/クイック充電:8分で1時間再生
充電方式USB-C/Qiワイヤレス充電対応
防水・防塵性能IP54(防塵5等級+防水4等級)
質量本体片側約6.0g/ケース込み約76.8g
カラーブラックグラファイト/ホワイトシルバー/ブラックコッパー(Amazon限定)/デニム(2025年2月追加・Amazon・楽天限定)/ゴールド(2025年2月追加)の全5色

価格帯はメーカー希望小売価格で5万円弱と、完全ワイヤレスイヤホンとしては最上位クラスです。Bluetooth 5.4 / aptX Lossless / LE Audio対応という現行最新の通信規格を網羅しており、2026年時点での将来性(フューチャープルーフ)も担保されています。

MOMENTUM True Wireless 4

MOMENTUM True Wireless 4|コンセプト・開発背景

MTW4の最大の特徴は、「シングルダイナミックドライバー」を貫く音響哲学にあります。近年の完全ワイヤレスイヤホン市場では、複数のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを組み合わせるマルチドライバー化が一つの潮流ですが、ゼンハイザーは敢えてその流れに乗らず、自社開発の7mmフルレンジドライバー1基だけで全帯域を鳴らす設計を続けています。

シングルダイナミックドライバーが選ばれる理由

複数ドライバー構成は高解像度や帯域の使い分けで有利な反面、「クロスオーバー」と呼ばれる帯域分割回路で位相のズレが生じ、音のつながりに不自然さが残ることがあります。一方、シングルドライバーは原理的にこの問題を持たず、音の繋がりが極めて自然で、楽器の定位や空気感が崩れにくいという強みがあります。ゼンハイザーが本機で追求しているのは、このアナログ的な「音の自然さ」をワイヤレス環境で実現することです。

aptX Losslessへの早期対応の意味

2024年3月という発売タイミングで、本機は早くもaptX Losslessに対応しました。これはQualcomm Snapdragon Soundプラットフォームに準拠することで実現したもので、対応Android端末との接続時にCD音質(16bit/44.1kHz)のビットパーフェクト伝送が可能になります。Bluetoothオーディオ20年来の弱点だった「非可逆圧縮による情報量の欠落」を、本機は構造的に克服している1台です。

MOMENTUM True Wireless 4|注目ポイント1:ゼンハイザー伝統の音響哲学

MOMENTUM True Wireless 4

MTW4のサウンドを支えるのは、ゼンハイザーがドイツ本社で自社開発する7mm TrueResponseトランスデューサーです。フルレンジ1基構成でありながら、低音の沈み込みから中域のボーカルの存在感、高域の繊細な空気感まで、全帯域をバランスよく描き分ける能力を持っています。

特に印象的なのは、過度なデジタル処理による色付けがない点です。多くのワイヤレスイヤホンが「ドンシャリ寄り」のチューニングで派手さを演出するのに対し、MTW4は録音された原音の意図を可能な限り忠実に再現する方向にチューニングされています。クラシックの弦楽器の繊細な響き、ジャズのウッドベースの量感、ポップスのボーカルの息遣いなど、楽曲ジャンルを問わず素材の質感が伝わってきます。

24bit/96kHzのハイレゾ音源にも対応しており、対応Android端末+ハイレゾ配信サービス(Amazon Music HDなど)と組み合わせれば、ワイヤレスとは思えないほどの解像度と情報量を体験できる構成になっています。

MOMENTUM True Wireless 4|注目ポイント2:aptX Lossless対応のロスレス伝送

MTW4の技術的な目玉が、Snapdragon Sound準拠のaptX Lossless対応です。電波状況が安定した環境で対応Android端末と接続すると、CD音質(16bit/44.1kHz)のロスレス伝送が可能になります。

これに加え、次世代Bluetooth規格であるLE Audioおよび放送機能のAuracastにも対応しており、コーデックはLC3にも対応しています。2024年発売モデルでありながら、2026年現在の最新インフラに完全に追従できる将来性を備えているのは、5万円という価格に対して大きな安心材料です。

ただし、iPhone(iOS)ではaptX Losslessは使えません。AppleはBluetoothコーデックとしてAACを基本採用しており、aptX系には非対応です。iPhoneユーザーがMTW4の真価を引き出すには、別途USBトランスミッター(ゼンハイザーBTD 600など)を併用する選択肢もあります。

MOMENTUM True Wireless 4|注目ポイント3:30時間バッテリーと急速充電

バッテリー性能は、本機の実用性を支える重要な要素です。本体単体で最大7.5時間、ケース込みで最大30時間という再生時間は、毎日の通勤・通学はもちろん、長距離フライトや数日間の出張でも充電を意識せずに使える水準です。

さらに8分間のクイック充電で約1時間の再生が可能という急速充電機能も備えており、出かける直前に充電を忘れていることに気づいても、身支度の合間に十分な実用駆動時間を確保できます。Qiワイヤレス充電にも対応しているため、自宅やオフィスのワイヤレス充電器に置くだけで充電できる利便性も高評価ポイントです。

なお、aptX Losslessなどの広帯域伝送やノイキャンを最大強度で常時稼働させると、DSP負荷が上がってカタログ値より短くなる傾向はありますが、それでも実用的なバッテリー寿命を確保できる設計です。

MOMENTUM True Wireless 4|注目ポイント4:IP54の堅牢性とフィットテスト

MTW4は完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しく、IP54の防塵防水両対応を実現しています。前モデルMOMENTUM True Wireless 3はIPX4(防滴のみ)だったため、防塵性能が追加されたことで、

  • ジムでの汗ばむトレーニング
  • 急な天候変化での雨水耐性
  • 砂埃の舞うキャンプ場やトレッキング
  • ボルダリングジムなどチョーク環境

といったハードな使用環境にも持ち込みやすくなりました。

もう一つの隠れた目玉が、専用アプリ「Sennheiser Smart Control」のフィットテスト機能です。アプリを起動してフィットテストを開始すると、イヤホンからテスト音が再生され、内蔵マイクが耳道内の音響反射を測定。装着しているイヤーピースとイヤーフィンが音響的に十分な密閉度を確保しているかを客観的に判定してくれます。

完全ワイヤレスイヤホンの音質とノイキャン性能は装着の密閉度に大きく左右されるため、感覚に頼らず数値ベースで装着を最適化できるこの機能は、本機の性能を最大限引き出すための必須プロセスと言えます。同梱イヤーピースが4サイズ(XS/S/M/L)、イヤーフィンが3サイズ(S/M/L)と豊富に用意されているのも、フィッティングを徹底できる設計の表れです。

MOMENTUM True Wireless 4|気になるポイント

非常に完成度の高い1台ですが、購入前に把握しておきたい弱点もいくつか存在します。

ノイキャン性能の絶対的な限界

MTW4のアダプティブANCは前モデルから着実に進化しており、電車内や室内環境では十分な静寂を提供します。しかし、業界トップを謳うBose QuietComfort Ultra EarbudsやSony WF-1000XM6が提供する「真空状態のような静寂」と比較すると、環境音の残滓を感じる場面があります。これはゼンハイザーが**「ANCで音楽信号の位相や低域を損なわない」音響哲学**を最優先しているための設計選択でもあり、ある意味で意図的な妥協点ですが、圧倒的な消音力を最優先するユーザーにはやや物足りない可能性があります。

外音取り込み時の風切り音

トランスペアレンシー(外音取り込み)モードを屋外で使うと、内蔵マイクが風音を拾って不快な風切り音が発生することがあります。アプリのAnti-Wind設定である程度緩和可能ですが、強風下や自転車での使用では完全には抑えきれません。屋外移動が多い方は、購入前にこの点を留意しておく必要があります。

価格帯の高さ

メーカー希望小売価格49,940円(税込)という価格設定は、完全ワイヤレスイヤホン市場の中でも最上位クラスです。「初めての高級イヤホン」として手を出すには心理的ハードルが高く、オーディオ機器を嗜好品として価値を見出せるかどうかが購入判断の分水嶺になります。

MOMENTUM True Wireless 4|おすすめな人・使用シーン

MOMENTUM True Wireless 4

ここまでのスペックと実力を踏まえ、MTW4は以下のような方に強くおすすめできます。

音質最優先派(ゼンハイザーサウンドを愛する方)

過度な低音増幅や人工的な高域強調を嫌い、録音された原音に忠実な音を求めるオーディオファイルにとって、本機は理想的な選択肢です。シングルダイナミックドライバーによる「アナログ的な音の自然さ」は、マルチBA構成では得られない独自の魅力です。

出張・旅行が多いビジネスパーソン

ケース込み30時間というスタミナは、長距離フライトや数日間の出張でバッテリー切れの心配から解放してくれます。8分充電で1時間再生のクイック充電も、忙しい朝の隙間時間で十分な実用時間を確保できる頼もしい機能です。

aptX Lossless対応のAndroidユーザー

Snapdragon搭載のハイエンドAndroidスマートフォンを所有し、Amazon Music HDなどでロスレス・ハイレゾ音源を聴く方には、本機のaptX Lossless対応がワイヤレス環境で音源の情報量を一切損なわないという大きな価値をもたらします。

屋外活動も想定する方

IP54の防塵防水性能により、ジム、ハイキング、キャンプ、ボルダリングなど、精密オーディオ機器を持ち込みづらかったシーンでも安心して使えます。

フィット感を厳密に詰めたい方

過去のイヤホンで「右耳だけサイズが合わない」「歩行中に徐々に抜け落ちる」「低音がスカスカに感じる」といった悩みを抱えてきた方には、フィットテスト機能と豊富なイヤーピース・イヤーフィン展開が大きな救いになります。

MOMENTUM True Wireless 4|競合製品との比較

2026年4月現在の主要フラッグシップ4機種と並べて、MTW4の立ち位置を確認します。

項目MOMENTUM True Wireless 4Sony WF-1000XM6Bose QC Ultra Earbuds 第2世代AirPods Pro 3Technics EAH-AZ100
発売2024年3月2026年2月2025年8月2025年9月2025年1月
税込価格約49,940円約4万円台39,600円39,800円約4万円台
ドライバー7mmシングルダイナミック高音質ドライバープロプライエタリ専用ドライバー業界初 磁性流体ドライバー
ANCアダプティブANC業界最高クラス(QN3e)世界最高クラス前世代比2倍アダプティブANC
主要コーデックaptX Lossless/LDACなしLDAC等aptX AdaptiveAACaptX Lossless/LDAC
防水防塵IP54IP57IPX4
バッテリー本体7.5h/ケース30h競合並み本体6h本体7h

vs Sony WF-1000XM6

2026年2月発売のソニー最新フラッグシップ。ノイキャン性能では新開発QN3eチップによる前機種比約25%低減を実現しており、消音力ではSony優位です。一方、MTW4はaptX Lossless対応でロスレス伝送が可能、シングルドライバーによる音の自然さが強みです。ノイキャン重視ならXM6、音質哲学を重視するならMTW4という構図になります。

vs Bose QuietComfort Ultra Earbuds 第2世代

2025年8月発売のBose旗艦機の刷新版。「Cinemaモード」搭載のイマーシブオーディオによる没入感はBose独自の魅力です。ノイキャン性能も世界最高クラス。没入感・消音力を最優先するならBose、原音忠実な音楽鑑賞ならMTW4という選び分けになります。

vs Apple AirPods Pro 3

2025年9月発売のApple最新フラッグシップ。iOSデバイスとのシームレスな統合体験、IP57の堅牢性、心拍数センサー搭載など機能性で先行しています。ただし、コーデックはAAC固定で、ロスレス伝送ができないのが弱点。iPhoneメインかつエコシステム重視ならAirPods Pro 3、Androidで音質を極めたいならMTW4です。

vs Technics EAH-AZ100

2025年1月発売のTechnics最新機。業界初の磁性流体ドライバー搭載で、独自の解像度と表現力を実現。aptX Lossless対応も共通しているため、コーデック面では拮抗します。より刺激的・分析的な音を求めるならAZ100、より自然・滑らかな音を求めるならMTW4という棲み分けです。

MOMENTUM True Wireless 4|よくある質問(Q&A)

Q
MOMENTUM True Wireless 3から買い替える価値はありますか?
A

十分にあります。Bluetooth 5.4対応・aptX Lossless新対応・IP54への強化・バッテリー延長・フィットテスト機能搭載と、内部アーキテクチャは根本から刷新されています。外観に劇的変化がないため見た目には「正常進化」に映りますが、技術的なフューチャープルーフ性は大きく向上しています。

Q
iPhoneでもaptX Losslessは使えますか?
A

iPhoneはAACのみ対応のため、aptX Losslessは使えません。AAC接続でも本機の7mmドライバーの実力で十分高音質ですが、ロスレス体験を求めるなら対応Androidデバイスかゼンハイザー純正のUSBトランスミッター「BTD 600」の併用が必要になります。

Q
ノイキャン性能はSonyやBoseと比べてどうですか?
A

日常生活で困らない実用域には十分到達していますが、絶対的な消音力ではSony WF-1000XM6やBose QC Ultra Earbuds 第2世代に一歩譲るのが実情です。MTW4は「音楽の位相や音質を損なわない自然なANC」を優先した設計であり、用途によって選び分けるのが正解です。

Q
バッテリー30時間は本当ですか?
A

公称値は事実です。ただし、aptX Losslessなど高ビットレート伝送やノイキャン最大強度での連続使用では、実測値が公称値より短くなる傾向があります。それでも8分充電で1時間再生のクイック充電が、実用上の不安をカバーしてくれます。

Q
フィットテスト機能は実用的ですか?
A

極めて実用的です。完全ワイヤレスイヤホンの音質とノイキャン性能は耳道密閉度に大きく依存するため、客観的な測定で装着を最適化できる本機能は、本機の性能を最大限引き出すための必須プロセスと考えるべきです。

MOMENTUM True Wireless 4|まとめ

MOMENTUM True Wireless 4は、ゼンハイザーの音響哲学とBluetooth最新規格の融合点に立つ完成度の高いフラッグシップ機です。

  • シングルダイナミックドライバーによる自然で原音忠実なサウンド
  • aptX Lossless / LE Audio / LC3対応で2026年現在も最先端の通信規格
  • 30時間バッテリー+8分クイック充電で実用性も最強クラス
  • IP54防塵防水+フィットテスト機能で日常からアウトドアまで安心
  • 49,940円という価格に見合う長期保有価値(フューチャープルーフ)

絶対的なノイキャン性能ならSony WF-1000XM6やBose QC Ultra Earbuds 第2世代に一歩譲るものの、**「自然な音、長時間の安心、そして所有満足感」**という3つの軸で選ぶならMTW4は最良の選択肢の一つです。

私自身、ハイエンド完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際は「3年以上付き合えるか」を重要な基準にするのですが、本機はaptX Lossless / LE Audio / Auracastといった次世代規格対応で、まだ数年は最前線で戦える1台だと感じています。価格は決して安価ではありませんが、ワイヤレスでありながら原音忠実な音楽体験を求める方には、ぜひ一度試聴して、その自然なサウンドを体験してみてください。

プログラマー。高校時代のWALKMAN+Sonyイヤホンをきっかけに、10年以上にわたってオーディオを中心にガジェットを買い続けています。SONY XBA-A3は今も現役で愛用、Sonyワイヤレスイヤホンは3世代追いかけて進化を体感してきました。得意領域はイヤホン・ヘッドホン、4K有機ELテレビ、ゲーミングマウス、PC周辺機器。「自分が本気で買うつもりで判断軸を作る」スタンスで、後悔のない買い物のための情報を発信しています。

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