【8,778円から】鯖江のメガネ屋が作ったオーディオグラス SOUND GLASS 徹底解説

3.5
FUJIKON SOUND GLASS スタンダードモデルSTとメガネモデルEW イヤホン

「メガネにスピーカーを仕込む」オーディオグラスは、Bose Framesが切り開き、HUAWEI Eyewear 2やAnker Soundcore Framesが続いたジャンルです。ただ、どれもオーディオメーカーやガジェットメーカーが作った製品で、「メガネとしての掛け心地」は二の次になりがちでした。Boseは撤退し、HUAWEIは37,800円と高く、このジャンルは長らく決定打を欠いていました。

そこへ2026年9月10日、福井県鯖江市のメガネメーカーFUJIKON HOLDINGSが「SOUND GLASS(サウンドグラス)」を投入します。老眼鏡とサングラスで国内トップクラスのシェアを持つメーカーが、自社のフレーム設計にBluetooth 6.0のオープンイヤースピーカーを組み合わせた製品です。価格は日常向けのスタンダードモデル(ST)が8,778円、ビジネス向けのメガネモデル(EW)とスポーツ向けのサングラスモデル(SG)が各20,350円。STはHUAWEI Eyewear 2の4分の1以下の価格です。

この記事では、3シリーズの違い、度付きレンズへの対応、音漏れ対策の有無、そしてHUAWEIやAnker、Shokzのオープンイヤーイヤホンと比べてどこに位置するかを、公式リリースと直販サイトの仕様をもとに整理します。発売前の公開情報のみが根拠で、実機の音は確認していません。価格はすべて税込、2026年9月6日時点で確認したものです。

3シリーズのスペック比較表

数値はFUJIKON HOLDINGSの公式プレスリリースと直販サイト「メガネプラス」の仕様をもとにしています。

項目スタンダード ST(ST01〜04)メガネ EW(EW01/02)サングラス SG(SG01/02)
価格8,778円20,350円20,350円
バリエーション7種類(フレーム4×レンズ色)2種類3種類(偏光2色・調光1)
用途日常・長時間ビジネス・PC作業スポーツ・アウトドア
スピーカーつる内蔵オープンイヤー20×8mm大口径ドライバー・200mW20×8mm大口径ドライバー
Bluetooth6.06.06.0
コーデック非公表LDAC(リリース)/AAC(直販仕様)AAC
再生時間最大8時間8〜9時間(直販は最大8時間)7.5時間(直販は8時間)
充電約2時間・2ピン磁気吸着約1.5時間(直販は約2時間)約1.5〜2時間
防水防塵IPX4IP54IPX6
音漏れ対策なし音漏れ軽減機能逆位相波キャンセル
通話ENC付きMEMSマイクENC付きMEMSマイクENC付きMEMSマイク
レンズ度なしクリア/カラーUVカット・ブルーライトカットのクリア偏光または調光
度付き交換ST02〜04は対応(ST01は不可)対応非公表
重量非公表41g(仕様表)/44g(説明文)44g
専用アプリなしなしなし

防水規格のIPX4・IP54・IPX6の違いは、用語解説で整理しています。STは「汗や小雨に耐える」、SGは「激しい雨や汗をかくスポーツに耐える」レベルです。

注目ポイント1:メガネメーカーが作った、という一点

SOUND GLASSの最大の特徴は、スピーカーの性能ではなく「作った会社がメガネ屋である」ことです。FUJIKON HOLDINGSは1959年創業(旧・藤田光学)、鯖江に本社を置き、老眼鏡とサングラスで国内トップクラスのシェアを持ちます。2015年には自社設計フレームでグッドデザイン賞も受賞しています。

それが製品にどう表れるかというと、全モデルで日本人向けのアジアンフィット設計を採用し、鼻パッドは調節式、テンプル(つる)にはすべり止めラバーが付きます。海外設計のオーディオグラスで起きがちな「鼻パッドが合わずズレ落ちる」「テンプルが太くて耳が痛い」という問題に、メガネ屋の側から答えた形です。

さらに、STのST02〜04とEWは度付きレンズへの交換に対応します。直販サイト「メガネプラス」では注文時に近視・老眼鏡用レンズを4,400円で組み込めるほか、購入後に街のメガネ店へ持ち込んで交換することも公式に案内されています。オーディオグラスを「イヤホンの代わり」ではなく「メガネの代わり」として使える設計です。

注目ポイント2:3シリーズの使い分け

3シリーズは価格と機能でかなりはっきり分かれています。

スタンダード ST(8,778円) は、最も安く、最も割り切ったモデルです。ドライバー仕様やコーデック、重量は非公表で、音漏れ対策もありません。再生時間は最大8時間、防水はIPX4。フレーム4種類とレンズ色4種類の組み合わせで7バリエーションあり、ST02〜04は度付きに対応します。ST01だけはレンズ交換ができないので、度付きで使いたい人はST01を避けてください。

メガネ EW(20,350円) は、ビジネス用途に振ったモデルです。20×8mmの大口径ドライバーと200mWの出力、公式リリースではLDAC対応と明記されています。レンズは最初からUVカットとブルーライトカットのクリアレンズで、買ってそのままPCメガネとして使えます。IP54の防塵防滴、音漏れ軽減機能付き。Web会議で「イヤホンを着けたまま同僚と話す」ような使い方を想定した仕様です。

サングラス SG(20,350円) は、スポーツ・アウトドア用です。SG01は偏光レンズ(マットブラック/マットホワイト)、SG02は紫外線量で濃度が変わる調光レンズ。防水はIPX6でランニングの汗や突然の雨に耐えます。音漏れ対策はEWより一段強い「逆位相波キャンセル」で、逆位相の音波を出して周囲への漏れを打ち消す方式です。HUAWEI Eyewear 2が採用しているのと同じ考え方です。

SGの度付き対応は公式資料に記載がなく未確認です。度付きサングラスとして使いたい人は、購入前にメーカーに確認してください。

注目ポイント3:Bluetooth 6.0と、アプリを持たない設計

全モデルがBluetooth 6.0に対応します。競合のHUAWEI Eyewear 2は5.3、Anker Soundcore Framesは5.2なので、規格上は最も新しい世代です。ただし、Bluetooth 6.0の恩恵(測位精度やチャンネルサウンディング)をオーディオグラスで体感できる場面は現時点では限られるので、「将来性がある」程度に捉えてください。

もう1つの特徴は、専用アプリがないことです。公式は「特定のアプリにのみ依存する閉鎖的なデバイスではなく、スマートフォンとBluetoothで繋がる純粋なウェアラブルツール」と説明しています。EQ調整やファームウェア更新をアプリで行いたい人には物足りませんが、「アプリの登録もアカウント作成も不要で、繋げば鳴る」という分かりやすさは、メガネの延長として使う製品には合っています。EWシリーズはスマホのAI音声対話にも対応します。

気になるポイント

発売前の公開情報から、購入前に知っておくべき点をまとめます。

  • 実機レビューがまだない: 発表が9月1日で、AV Watchなど専門媒体の実機レビューは9月6日時点で確認できていません。音質や音漏れの実力は未知数です
  • 仕様の表記に揺れがある: EWのコーデックは公式リリースが「LDAC」、直販サイトが「AAC」。再生時間や充電時間もリリースと直販で数値が異なります。記事では両方を併記しました
  • STは音漏れ対策なし: 電車やオフィスで使うなら、EW以上を選ぶ必要があります
  • STの重量・ドライバーが非公表: 最安モデルほど情報が少ないので、掛け心地は店頭か実機レビューで確認したいところです
  • 充電は独自の磁気端子: 2ピンのマグネット式で、USB-Cケーブルを直接挿すことはできません。ケーブルを失くすと充電できない点はオーディオグラス共通の弱点です
  • SGの度付き対応は未確認
  • Amazonの発売予定日は9月18日: 公式リリースの発売日は9月10日ですが、Amazon.co.jpのST・EW両モデルとも9月6日時点で「発売予定日 2026年9月18日・予約受付中」と表示されています(出荷/販売元はFUJIKON+PLUS、送料660円)
  • Amazonの商品情報も公式と食い違う: EWモデルのAmazon商品名は「防水IPX6」となっていますが、公式リリースのEWはIP54です。コーデックも商品名では「LDAC対応」と「AAC対応」の両方の表記が確認できます
  • 販路は直販中心: メガネプラス(公式EC)、楽天の公式店、Amazon.co.jpが販路で、家電量販店やメガネチェーンの店頭販売は9月6日時点で未確認です

どんな人に向くか

メガネを常用していて、イヤホンとの干渉に困っている人

メガネのつるとイヤホンのフックが耳の上でぶつかる問題は、メガネユーザーなら一度は経験しているはずです。SOUND GLASSはメガネ自体がスピーカーなので、この干渉が原理的に起きません。度付きに対応するST02〜04とEWが候補です。

Web会議が多く、PCメガネを探している人

EWはブルーライトカットのクリアレンズが標準で、ENC付きマイクとLDAC対応、IP54。「PCメガネ+会議用ヘッドセット」を1本にまとめる用途では、この価格帯に競合がほぼありません。

ランニングやサイクリングでサングラスをかける人

SGはIPX6の防水と偏光・調光レンズ、逆位相の音漏れ対策。周囲の音を聞きながら走りたい人向けです。

とにかく安くオーディオグラスを試したい人

ST(8,778円)は現行のオーディオグラスで最安クラスです。音漏れ対策がないので自宅や屋外向きですが、「メガネ型が自分に合うか」を確かめる入口としては十分です。

一方、メガネを掛けない人や、音質と再生時間を優先する人には、耳掛け型のオープンイヤーイヤホンの方が合います。Shokz OpenDotsシリーズのような選択肢は別記事で比較しています。

競合製品との比較

メガネ型と、耳掛け型のオープンイヤーを並べます。価格は各社直販(税込)、重量と再生時間はメーカー公称値です。

製品価格重量再生時間度付き
SOUND GLASS ST8,778円非公表最大8時間ST02〜04 対応
SOUND GLASS EW20,350円41〜44g8〜9時間対応
HUAWEI Eyewear 237,800円約38〜39g最大約11時間対応(提携店)
Anker Soundcore Frames19,990円約41〜45g最大約5.5時間対応(持ち込み)
Shokz OpenFit 2(耳掛け型)25,880円片耳9.4g11時間(ケース込み48時間)非該当

メガネ型で比べると、HUAWEI Eyewear 2は軽さと再生時間で上回るものの価格は約1.8倍。Anker Soundcore Framesは同価格帯ですが再生時間が5.5時間と短く、Bluetoothも5.2です。EWの「20,350円で8〜9時間・LDAC・IP54・ブルーライトカット標準」は、メガネ型の中では素直に競争力があります。

耳掛け型のShokz OpenFit 2は、ケース込みで48時間という再生時間と片耳9.4gの軽さが強みで、音質面でも専用設計の分だけ有利なはずです。メガネ型を選ぶ理由は「メガネとイヤホンを1本にできる」ことに尽きるので、メガネを掛けない人がわざわざ選ぶ製品ではありません。

なお、同じ「グラス型」でもRayNeo iOのようなAIグラスはカメラや翻訳機能を持つ別カテゴリで、価格も8万円台です。SOUND GLASSはあくまで「音の出るメガネ」で、それ以上でもそれ以下でもありません。

よくある質問(FAQ)

Q
度付きレンズにできますか?
A

スタンダードのST02〜ST04とメガネモデルEWは対応しています。直販サイトで注文時に度付きレンズ(4,400円〜)を選ぶか、購入後にメガネ店で交換できます。ST01はレンズ交換非対応、サングラスSGは公式に記載がありません。

Q
音漏れはしますか?
A

STには音漏れ対策がありません。EWは音漏れ軽減機能、SGは逆位相波キャンセル機能を搭載しています。実機レビューは発売前のため未確認で、静かな場所での使用はEW以上をおすすめします。

Q
3シリーズの一番の違いは何ですか?
A

STは8,778円の日常向けで音漏れ対策なし、EWはブルーライトカットレンズとLDAC対応のビジネス向け、SGは偏光・調光レンズとIPX6のスポーツ向けです。EWとSGは同じ20,350円です。

Q
専用アプリはありますか?
A

ありません。スマートフォンとBluetoothで接続するだけで使う設計で、EQ調整などのアプリ機能は提供されていません。

Q
どこで買えますか?
A

公式ECの「メガネプラス」、楽天市場の公式店、Amazon.co.jpで予約を受け付けています。公式の発売日は2026年9月10日ですが、Amazonは9月6日時点で「発売予定日 9月18日」と表示されているので、急ぐ場合は公式ECの方が早い可能性があります。店頭販売は確認できていません。

まとめ:メガネ屋が作った、8,778円から始まるオーディオグラス

SOUND GLASSは、音響性能で勝負する製品ではなく、「メガネとして成立しているオーディオグラス」を鯖江のメーカーが安く出した、という点に価値があります。

  • ST 8,778円は現行オーディオグラスで最安クラス。ただし音漏れ対策なし・仕様は非公表が多い
  • EW 20,350円はブルーライトカット標準・LDAC・IP54・音漏れ軽減。PCメガネ兼会議用として競合が少ない
  • SG 20,350円は偏光/調光・IPX6・逆位相キャンセル。スポーツ向け
  • 全モデルBluetooth 6.0・ENCマイク・アジアンフィット・アプリ不要
  • 度付きはST02〜04とEW。ST01は不可、SGは未確認

現時点での評価

発売前の公式情報のみをもとにした採点で、実機の音は確認していません。

  • 価格設定:★★★★★ 5.0(ST 8,778円、EW/SG 20,350円)
  • メガネとしての設計:★★★★☆ 4.5(アジアンフィット・度付き対応・鯖江製)
  • 音響仕様:★★★☆☆ 3.0(EW/SGは20×8mmドライバー、STは非公表。実機未確認)
  • 情報の確度:★★☆☆☆ 2.5(コーデック・再生時間の表記揺れ、ST重量非公表)
  • 総合:★★★★☆ 3.5

メガネを常用している人にとって、「イヤホンを別に持たなくていい」体験はかなり大きい。その入口が8,778円で用意された意味は小さくありません。まずはEWかST02〜04で度付きにして、実機レビューが出揃ってから本格的に判断する、という付き合い方が現実的だと思います。

プログラマー。高校時代のWALKMAN+Sonyイヤホンをきっかけに、10年以上にわたってオーディオを中心にガジェットを買い続けています。SONY XBA-A3は今も現役で愛用、Sonyワイヤレスイヤホンは3世代追いかけて進化を体感してきました。得意領域はイヤホン・ヘッドホン、4K有機ELテレビ、ゲーミングマウス、PC周辺機器。「自分が本気で買うつもりで判断軸を作る」スタンスで、後悔のない買い物のための情報を発信しています。

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