【M20xだけ年内2回目】オーディオテクニカ10月6日値上げ|41型番の全リストと、前回の実売データ

オーディオテクニカ2026年10月価格改定の解説記事アイキャッチ。ATH-M20x の製品画像入り オーディオ

値上げのニュースを見ると、まず気になるのは「で、いくらになるのか」だと思います。ところが今回のオーディオテクニカの発表には、改定後の価格がひとつも書かれていません。公式が出しているのは、実施日と平均改定率と、対象型番のリストの3つだけです。

2026年10月6日(火)から、41型番が平均約23%増。ヘッドホン、カートリッジ、マイクロホンなどが対象です。9月7日に公式サイトで告知されました。

それだけなら「10月5日までに買いましょう」で終わる話なのですが、リストを2枚並べてみたら、少し違うものが見えてきました。同社は2026年4月にも66製品を値上げしていて、その両方に載っている型番がひとつだけあるのです。さらに、その4月の改定が実売価格にどう波及したのかを日次データで追ったところ、「急ぐべきかどうか」の答えが素直ではないことも分かりました。ぜひ最後までご覧ください。

オーディオテクニカ ATH-M20x の本体と、付属の3.5mmプラグ・6.3mm変換プラグを写した公式製品画像
今回の改定でMシリーズから対象になったのは ATH-M20x と ATH-M60xa の2型番だけ。引用: https://www.audio-technica.co.jp/product/ATH-M20x

公式が発表したこと、していないこと

最初に、確定している事実だけを並べます。

項目内容
実施日2026年10月6日(火)
対象41型番(ヘッドホン、カートリッジ、マイクロホンなど)
改定率平均価格改定率 約23%増
告知日2026年9月7日
最大改定率— (未公表)
型番ごとの改定後価格— (未公表)

引用: https://www.audio-technica.co.jp/news/detail/380

まず押さえておきたいのが、「最大23%」ではなく「平均約23%増」だという点です。公式も主要な二次媒体も表現は一致しています。最大値は公表されていません。

そして2026年9月19日時点で、対象製品リストのPDFを機械的に検査したところ、「¥」「円」「価格」「税」という文字も、カンマ区切りの数値もゼロ件でした。No.・製品名・型番の3列だけのリストです。つまり、どこかで「ATH-M20x は9,075円→約11,200円になります」といった記述を見かけても、少なくとも今回の公式発表で確定された数字ではありません。

値上げの理由は公式の原文でこう書かれています。

原材料の高騰および物流コストが大幅に上昇する中、製品価格の維持に努めて参りましたが、一部の製品において、現行価格を維持することが非常に困難な状況となっております。

為替や円安への言及はありません。2024年・2026年4月の告知も一字一句同じ文面でした。

対象41型番の全リスト

公式PDFから転記します。価格はオーディオテクニカ公式サイトが表示している公式オンラインストア価格(税込)です。同社サイトで価格を確認できなかったものは「—」としています。

製品カテゴリ型番現行価格(税込)
ポータブルヘッドホンATH-S100(BBL/BGR/BK/BPK/WH の5色)2,200円
スマートフォン用ポータブルヘッドホンATH-S100iS(同5色)2,597円
VM型ステレオカートリッジAT-VM95ML25,300円
〃AT-VM95EN16,500円
〃AT-VM95E9,900円
〃AT-VM95C7,920円
〃AT-VM95E BK—
ヘッドシェル付VM型カートリッジAT-VM95E/H14,740円
〃AT-VM95C/H12,760円
〃AT-VM95EBK/H—
VM型 交換針AT-VMN95ML22,000円
〃AT-VMN95EN—
〃AT-VMN95E6,600円
〃AT-VMN95E BK—
〃AT-VMN95C4,620円
ヘッドシェルAT-HS6 BK/AT-HS6 SV5,280円
ハンズフリー拡声器ATP-SP303—
〃ATP-SP40432,868円
アクティブスピーカーAT-SP105—
OFCスピーカーケーブルAT6157(100M)/AT6158(100M)/AT6159(50M)—
マイクロホンブームアームAT870516,500円
プロフェッショナルモニターヘッドホンATH-M20x9,075円
〃ATH-M60xa30,250円
スタジオモニター ステレオヘッドホンATH-SX1a—
ダイナミックマイクロホンATM25—
ワイヤレスシステム関連ATW-3211HH1/ATW-3212/C510HH1/ATW-R3210HH1/ATW-T3201aHH1/ATW-T3202aHH1—

引用: https://www.audio-technica.co.jp/pdf/other/20261006kakakukaitei.pdf

この記事の価格について

表に載せている現行価格は2026年9月19日時点の参考値です(オーディオテクニカ公式オンラインストア価格、税込)。同日時点で、公式告知にも対象製品PDFにも型番ごとの改定後価格は掲載されていません。10月6日にいくらになるかは本記事では書けません。価格.com最安のほうは販売店の在庫や時期で日々動きます。読んだ時点の実際の価格とは差が出ている前提でご覧ください。

2026年10月6日改定の対象41型番を、アナログレコード関連15・ヘッドホン13・音響機器9・ケーブルとアクセサリー4の4カテゴリに分けて示した図
いちばん長いのはヘッドホンではなくアナログレコード関連の帯。カテゴリ分けは当サイトによるもので、公式が出しているのは型番リストだけ

41は型番の数であって、機種の数ではありません。 ATH-S100 と ATH-S100iS はそれぞれ5色、AT-HS6 は2色で数えられています。「41製品が値上げ」と読むと、実態より広く感じられるかもしれません。ヘッドホンに限れば13型番です。

そしていちばん多いのはアナログレコード関連で15型番、41型番のおよそ4割を占めます。内訳はカートリッジ5、ヘッドシェル付カートリッジ3、交換針5、ヘッドシェル2。レコードを聴いている方にとっては、今回はかなり広く網がかかった改定です。

なおこのカテゴリ分けは当サイトによるもので、公式が出しているのは型番のリストだけです。4つ目の「ケーブル・アクセサリー」4型番は、OFCスピーカーケーブル3とマイクロホンブームアーム1の内訳です。PHILE WEB は別の切り方(ヘッドホン13/カートリッジ・ヘッドシェル10/交換針5/ケーブル3)で報じていて、どちらも41型番という総数は同じです。

ATH-M20xだけが2026年に2度目の対象になる

オーディオテクニカは2026年4月14日にも価格改定を実施しています。対象は66製品、平均約18%増。そのリストと今回の41型番を、型番単位で突き合わせました。

  • 4月の対象に含まれていたMシリーズ: ATH-M20x、ATH-M20x WH、ATH-M20xBT、ATH-M30x、ATH-M40x、ATH-M50x、ATH-M50xBT2、ATH-M70x の8型番
  • 10月の対象に含まれるMシリーズ: ATH-M20x、ATH-M60xa の2型番
  • 両方に載っている型番: ATH-M20x ただ1つ

つまり ATH-M20x は、4月改定と10月改定の両方で対象リストに入った唯一のMシリーズということになります。なお18%・23%はいずれも対象製品全体の平均改定率であって、M20x個別の改定率ではありません。逆に M30x・M40x・M50x・M20xBT は4月に上がり済みで、今回は対象外です。

なお、4月の公式PDFには「ATH-M20x WH」も別型番として載っていましたが、10月の対象リストにWHの記載はありません。ATH-M20x WH の製品ページは、現在「生産完了」と表示されています。

参考までに、同社の直近の改定履歴です。

実施日対象製品数平均改定率
2024年4月24日64製品約17%増
2026年4月14日66製品約18%増
2026年10月6日41製品約23%増

前回の値上げは、実売にどう波及したか

「10月5日までに買え」と書きたくなる場面ですが、その前に確かめておきたいことがありました。4月の改定は、店頭価格にいつ・どれくらい効いたのかです。

価格.com の価格推移ページには、2年分の日次データが埋め込まれています。そこから ATH-M20x・ATH-M30x(どちらも4月改定の対象)と、ATH-M60xa(4月は対象外)の3機種を取り出して、改定前日の2026年4月13日を100として指数化しました。

オーディオテクニカ3機種の最安値推移を2026年4月13日=100で指数化した折れ線グラフ。ATH-M20xとATH-M30xは4月14日に約1%上がり、7月8日に大きく上昇。ATH-M60xaは4月14日に変化していない
4月改定の対象2機種は、改定日にそろって+1.0%。本格的に上がったのは3か月後の7月8日だった

読み取れたのは3つです。

改定日に大きく動いたのは平均価格のほうでした。 ATH-M20x の平均価格は、4月10日の7,934円から、改定前日の4月13日に8,610円、改定当日の4月14日に8,977円へ。2日で約13%上がっています。ただし価格.comの集計だけでは、個々の店舗が値札を書き換えたのか、掲載店舗や在庫の構成が変わったのかまでは切り分けられません。

一方で最安値は、当日わずか+1.0%しか動きませんでした。 ATH-M20x は7,623円→7,700円、ATH-M30x は10,890円→11,000円。どちらもちょうど1%台です。

最安値が本格的に上がったのは、約3か月後でした。 ATH-M20x も ATH-M30x も、2026年7月8日に同時に動き出します。M20x は最終的に8,249円(改定前日比 +8.2%)、M30x は12,100円(同 +11.1%)。流通在庫が入れ替わったタイミングと読めますが、理由までは公表されていないので推測は控えます。

4月の改定対象ではなかった ATH-M60xa は、4月14日に最安値も平均価格も動いていません。グラフの破線が改定日をまたいで平らなままなのは、上の動きが価格改定の影響だという解釈と整合します(ただしM60xa自体は年間を通じて大きく変動しているので、厳密な対照実験ではありません)。

ひとつ注意点があります。価格.comの価格推移グラフは、Amazonを集計・表示の対象から除外しています(同社の注記)。上のデータは、グラフ対象となっている販売店群のものです。

では、10月6日までに買うべきか

前節のデータを踏まえると、答えは「モノによる」になります。

急いだほうがいいのは、公式オンラインストアで買うつもりの方です。オーディオテクニカが定める価格改定実施日は10月6日。ストアの表示が何時に切り替わるかまでは告知されていないので、10月5日までをひとつの区切りとして考えるのが安全です。

最安値を狙う買い方なら、判断材料は前回の実績です。4月の改定では、M20x・M30x とも改定日当日の最安値上昇は+1.0%にとどまり、本格的に上がったのは約3か月後でした。つまり「改定日に全店舗が一斉に大幅値上げした」という実績ではありません。ただしこれは2型番・1回ぶんのデータで、今回も同じ推移になる保証はありません。

判断材料をもうひとつ。現在の実売価格を並べると、Mシリーズにはきれいな規則性が見えます。

型番公式オンラインストア価格(税込)÷1.1価格.com最安(9/19時点)
ATH-M20x9,075円8,250円8,249円
ATH-M30x13,310円12,100円12,100円
ATH-M50x24,200円22,000円22,000円
ATH-M20xSTS16,940円15,400円15,400円
ATH-M60xa30,250円27,500円27,500円

公式価格を1.1で割った金額に、最安値がほぼ一致しています。 これは9月19日時点で観測された事実であって、そういう価格政策が敷かれているという証拠ではありません。10月6日以降も同じ関係が続くかどうかも分かりません。ただ、改定後の価格を予測する材料としては、公式価格の動きを見ておく意味がありそうです。

一方、ATH-S100iS(公式2,597円に対し最安2,009円)や AT-VM95E(9,900円に対し8,297円)は、この線から外れて深く値引きされています。

ATH-M20x は何ができるヘッドホンか

今回の主役を確認しておきます。2014年発売の、Mシリーズのエントリーモデルです。

スタジオのミキサーとキーボードの前に置かれた ATH-M20x を写した公式イメージ画像
プロフェッショナルモニターヘッドホンという位置づけの製品。引用: https://www.audio-technica.co.jp/product/ATH-M20x
項目仕様
型式密閉ダイナミック型
ドライバーφ40mm
出力音圧レベル96dB/mW
再生周波数帯域15〜20,000Hz
最大入力700mW
インピーダンス47Ω
質量(コード除く)約190g
コード長3.0m
プラグφ6.3mm標準/φ3.5mmミニ 金メッキステレオ2ウェイ
発売日2014年2月14日

引用: https://www.audio-technica.co.jp/product/ATH-M20x

密閉型の特性が何を意味するのかは、別記事で整理しています。M20x を検討していて「開放型と何が違うのか」が気になる方は、あわせてどうぞ。

すぐ上の ATH-M30x(13,310円)との差は、次のとおりです。

  • 折りたたみ機構: M30x にはあり、M20x は公式仕様に記載なし
  • キャリングポーチ: M30x に付属、M20x は記載なし
  • 再生周波数帯域: 15〜20,000Hz → 15〜22,000Hz
  • 最大入力: 700mW → 1,300mW
  • 質量: 約190g → 220g
  • コード: 3.0m → OFCリッツ線3m

価格差は4,235円。M30x は4月に値上げ済みで、今回は対象外です。両方を検討していたなら、10月6日以降は差が縮む可能性があります。

もうひとつ、名前が紛らわしい ATH-M20xSTS(16,940円)も今回の対象外です。こちらはマイク付きのストリーミング用モデルで、ヘッドホン部の音響スペックは M20x とまったく同一(φ40mm、15〜20,000Hz、47Ω、96dB/mW、700mW)。違いはマイクの有無と、着脱式2.0mコード、そして約46g重い236gという点です。

なお、今回の改定でBluetoothヘッドホンは対象外です。9月18日に発売されたばかりの開放型ノイズキャンセリング機 ATH-AL5NC も、値上げの対象には入っていません。

2026年秋、オーディオ機器で価格改定が集中している

今回の改定は単独の出来事ではありません。今回確認できた範囲だけでも、10月1日から9日までの9日間に8社が価格改定を予定・実施しています(網羅した数ではありません)。

メーカー実施日内容
アイオーデータ10月1日液晶ディスプレイ等32型番、カテゴリ別4.4〜25.0%(表示価格は税抜)
アキュフェーズ10月1日出荷分4年ぶり。最大約7.4%(税込)
STAX10月1日イヤースピーカー等
C.E.C.10月1日詳細未取得
オーディオテクニカ10月6日41型番・平均約23%
オヤイデ電気10月6日OYAIDE/NEO 104モデル
DALI10月9日旗艦スピーカー KORE。希望小売価格(税込)8,250,000円→10,450,000円
Estelon10月2日受注分X Diamond MkII 17,050,000円ほか4モデル(ペア・税込)
2026年10月1日から9日までにオーディオ・PC周辺機器8社が実施する価格改定を日付順に並べた図
10月1日に4社、2日に1社、6日に2社、9日に1社。オーディオテクニカは真ん中にいる

各社が挙げている理由はほぼ共通で、「原材料高騰」と「物流・輸送コスト上昇」の2点です。アイオーデータは「半導体部品」を明示的に加えています。確認できたメーカー公式告知では、為替・円安への言及はありませんでした。

とくにアイオーデータの改定は10月1日です。Amazonのプライム感謝祭は10月開催が公式に確定していますから、感謝祭がいつ始まっても、アイオーデータの改定日以降になります(改定日と同じ10月1日に始まる可能性も含みます)。ディスプレイ類を検討しているなら、この点は頭に入れておくとよさそうです(ただし実売への反映時期は店舗・在庫によります)。

よくある質問

Q
ATH-M20x はいくらになりますか?
A

**2026年9月19日時点では公表されていません。**公式が出しているのは「平均約23%増」という全体の数字だけで、対象製品PDFにも型番ごとの改定後価格はありません。

Q
「最大23%」ではないのですか?
A

公式の表現は「平均価格改定率 約23%増」です。最大値は未公表です。

Q
ATH-M50x や ATH-M40x も上がりますか?
A

今回の対象外です。ただしこの2機種は**2026年4月14日の改定(対象全体の平均約18%増)で既に対象になっています**。

Q
Bluetoothヘッドホンは対象ですか?
A

対象外です。今回のヘッドホンは有線のポータブル機とプロ用モニターが中心です。

Q
10月6日を過ぎたら、店頭価格もすぐ上がりますか?
A

前回(4月14日)は、最安値の上昇が当日+1.0%にとどまり、本格的に上がったのは約3か月後でした。同じになる保証はありませんが、即日で切り替わるとは限りません。

まとめ:急ぐべきものと、そうでないものを分けて考える

オーディオテクニカの10月6日の価格改定は、41型番・平均約23%増。公式が出しているのは実施日と平均率とリストだけで、2026年9月19日時点では型番ごとの改定後価格は掲載されていません。ネット上で見かける「○○円になる」という数字は、少なくとも今回の公式発表で確定されたものではありません。

  • 対象は41型番(色違いを別カウント)。うちアナログレコード関連が15型番で最多
  • ATH-M20x は、4月に続いて2026年2度目の対象リスト入りとなる唯一のMシリーズ
  • 前回の改定では、平均価格が当日に約13%上昇した一方、最安値は+1.0%。本格的に上がったのは約3か月後で、そこまでで改定前日比+8.2%(M20x)/+11.1%(M30x)
  • M30x・M40x・M50x・M20xBT・M20xSTS は今回対象外(4月に上がり済み)
  • Bluetoothヘッドホンは対象外

公式オンラインストアで買うつもりなら、10月5日までが一区切りです。一方、最安値を追う買い方であれば、前回は改定日当日の上昇が+1.0%にとどまったという実績があります。ただし2型番・1回ぶんのデータなので、今回も同じになるとはかぎりません。

私自身、Sony の WF シリーズを3世代追いかけてきた立場で言うと、値上げ前の駆け込みで「本当は欲しくなかったモデル」を買ってしまうのがいちばんもったいないと思っています。ATH-M20x は9,000円前後で買えるモニターヘッドホンとして素直によくできた製品ですが、欲しかったかどうかが先です。気になっていた方は、まず自分が狙っている型番がリストに載っているかどうか、公式PDFで確認してみてください。

プログラマー。高校時代のWALKMAN+Sonyイヤホンをきっかけに、10年以上にわたってオーディオを中心にガジェットを買い続けています。SONY XBA-A3は今も現役で愛用、Sonyワイヤレスイヤホンは3世代追いかけて進化を体感してきました。得意領域はイヤホン・ヘッドホン、4K有機ELテレビ、ゲーミングマウス、PC周辺機器。「自分が本気で買うつもりで判断軸を作る」スタンスで、後悔のない買い物のための情報を発信しています。

トータルナビをフォローする
オーディオヘッドホン
スポンサーリンク
シェアする
トータルナビをフォローする
タイトルとURLをコピーしました