【プロセッサー表記は据え置き】BRAVIA 8 II 徹底解説|QD-OLED化で仕様表の何が変わったか

ソニー BRAVIA 8 II の解説記事アイキャッチ。QD-OLEDパネルの本体正面画像入り テレビ

新しいテレビが出たと聞いて製品ページを開くと、たいてい「新開発の」「進化した」という言葉が並んでいます。それ自体は嘘ではないのですが、では具体的に仕様表の何行が書き換わったのかまでは、なかなか分かりません。

ソニーの BRAVIA 8 II は2026年9月19日発売。市場推定価格は65V型が605,000円前後、55V型が462,000円前後(いずれも税込)です。8シリーズとして初めて QD-OLED パネルを採用したモデルで、ここが最大のニュースになっています。

私自身、リビングで前世代にあたる BRAVIA K-55XR80 を毎日使っています。そこで今回は、旧 BRAVIA 8 と BRAVIA 8 II の公式仕様表を2枚並べて、1行ずつ突き合わせてみました。やってみて意外だったのは、プロセッサーの名前がまったく変わっていなかったことです。ぜひ最後までご覧ください。

ソニー BRAVIA 8 II(K-XR80M2シリーズ)をスタンドに立てて正面から見た公式製品画像
QD-OLEDパネルを採用した BRAVIA 8 II。サイズ展開は55V型と65V型の2つ。
引用: https://www.sony.jp/bravia/products/K-XR80M2/

製品スペック一覧

公式仕様表からそのまま転記します。価格は「オープン価格」で、下の金額はソニーが公式リリースで示している「市場推定価格(税込)」です。

項目仕様
シリーズ名BRAVIA 8 II(XR80M2シリーズ)
型番K-55XR80M2(55V型)/K-65XR80M2(65V型)
発売日2026年9月19日
価格オープン価格(市場推定価格 税込:65V型 605,000円前後/55V型 462,000円前後)
パネル有機ELパネル(QD-OLED)
プロセッサープロセッサー「XR」
高輝度技術XR コントラスト ブースター 25
色再現XR トリルミナス マックス
表面処理低反射フィルム
HDRHDR10/HLG/Dolby Vision
スピーカーアコースティック サーフェス オーディオ プラス(アクチュエーター×2+サブウーファー×2・計4基/実用最大出力50W)
HDMI4系統(4K/120fps・eARC・VRR・ALLM・SBTM)
OSGoogle TV(Gemini for TV 対応)
リモコン音声検索機能付リモコン(無線・TVerボタン搭載)/型番 RMF-TX481J
消費電力定格:55V型 318W/65V型 402W 年間消費電力量:55V型 169kWh/65V型 190kWh
質量(スタンド込み)55V型 18.4kg/65V型 24.2kg
ピーク輝度の nit 値・パネル世代・供給元— (未公表)

引用: https://www.sony.jp/bravia/products/K-XR80M2/spec/

HDR の3規格がそれぞれ何をしているのかは、別記事で整理しています。対応表記を読むときの土台になるので、あわせてどうぞ。

旧BRAVIA 8 と並べると、書き換わった行が見えてくる

ここが本題です。ソニー公式の仕様表2枚(K-XR80 と K-XR80M2)から直接抜き出して並べました。

項目BRAVIA 8(K-XR80・2024)BRAVIA 8 II(K-XR80M2・2026)
パネル有機ELパネル有機ELパネル(QD-OLED)
プロセッサープロセッサー「XR」プロセッサー「XR」
色再現XR トリルミナス プロXR トリルミナス マックス
低反射なし低反射フィルム
高輝度技術XR コントラスト ブースター 15XR コントラスト ブースター 25
スピーカー構成アクチュエーター2+トゥイーター2+サブウーファー1アクチュエーター2+サブウーファー2
スピーカー数54
出力(JEITA)50W(10+10+10+10+10)50W(15+15+10+10)
HDMI4系統/4K120・eARC・VRR・ALLM・SBTM同一
サイズ展開55/65/7755/65
定格消費電力 55型351W318W
定格消費電力 65型449W402W
奥行 65型(標準スタイル)24.8 cm33.9 cm
厚さ(スタンドなし)3.7 cm3.4 cm

引用: https://www.sony.jp/bravia/products/K-XR80/spec/ / https://www.sony.jp/bravia/products/K-XR80M2/spec/

BRAVIA 8とBRAVIA 8 IIの仕様表を変わった行・据え置きの行・減った行の3列に整理した図
変わったのはパネルまわり。プロセッサーとHDMIの行は旧機と一致している

プロセッサーの行が、一字も変わっていません。 旧機も新機も「プロセッサー『XR』」です。ただしソニーは「XR」という名称を複数世代にわたって使っているので、表記が同じことは、中身まで同一であることを意味しません。SoC が同じなのか、演算性能がどう変わったのかは公表されていません。仕様表から言えるのは「この行は書き換わっていない」までです。変わったのはパネルと、そのパネルを制御する側の技術名でした。

そしてもう1行、HDMI の行も完全に同じでした。4K/120fps・eARC・VRR・ALLM・SBTM という並びが旧機と一致しています。ゲーム用途での端子強化は、今回は入っていません。

ピーク輝度は最大1.5倍、定格消費電力は下がった

ソニーは公式リリースで、こう書いています。

「XR トリルミナスマックス」による自然で鮮やかな色彩に加え、「XR コントラスト ブースター25」により従来機種「BRAVIA 8」シリーズ比で、ピーク輝度が最大1.5倍に向上しています。

比較対象が「BRAVIA 8シリーズ」と明記されているのがポイントです。ただし「最大1.5倍」なので、常に1.5倍明るいという意味ではありません。そして具体的な nit 値は公表されていません。

ここで注意が必要なのが「XR コントラスト ブースター 25」の数字です。旧機は「15」でしたが、これを15→25で1.67倍と読むのは誤りです。ソニー自身が仕様表にこう注釈を付けています。

XR コントラスト ブースターの数値は、「暗部の電流を明部に集中させ明るさを高める機能」の効果の高さと、その精度を表すソニー独自算出による数値です

輝度でも倍率でもない、独自指標ということです。

一方で、定格消費電力ははっきり下がりました。55V型が351W→318Wで33W減、65V型が449W→402Wで47W減です。

ただし、ここで話を止めると読み違えます。年間消費電力量まで見ると、55V型だけ増えています。

項目55V型(旧→新)65V型(旧→新)
定格消費電力351W → 318W(−33W)449W → 402W(−47W)
年間消費電力量167 → 169 kWh/年(+2)195 → 190 kWh/年(−5)
省エネ基準達成率95% → 94%(−1pt)117% → 120%(+3pt)
BRAVIA 8とBRAVIA 8 IIについて、定格消費電力を横棒で比較し、年間消費電力量と省エネ基準達成率を55V型・65V型別に並べた図
定格はどちらのサイズも下がったが、年間消費電力量は55V型だけ増えている

定格消費電力はピーク時、つまり「いちばん電気を使う瞬間」の値です。一方の年間消費電力量は、規定の測定条件で1年ぶんを算出した目安。ピーク時の上限が下がったからといって、実際の電気代まで必ず下がるとは限らないということです。65V型は両方とも改善していますが、55V型は定格だけが下がっています。

諦めたものが3つある

新型が出ると増えた機能ばかりが並びますが、仕様表を突き合わせると減っているものも見えます。

77V型が消えました。 旧 BRAVIA 8 には55/65/77の3サイズがありましたが、8 II は55と65の2サイズのみです。大画面で有機ELを狙っていた方には、BRAVIA 8 II のラインアップの中では選択肢がなくなったことになります(旧 BRAVIA 8 の77V型そのものは、在庫のある間は引き続き選べます)。

スピーカーが5基から4基に減りました。 旧機のアクチュエーター2+トゥイーター2+サブウーファー1という構成から、トゥイーターが消えてアクチュエーター2+サブウーファー2に変わっています。総出力は50Wで同じですが、配分は10W×5 から 15W+15W+10W+10W へ。純粋な強化ではありません。

65V型の奥行が9.1cm増えました。 標準スタイルで 24.8cm → 33.9cm。これはテレビ台選びに実害が出るレベルの差です。本体の厚さ自体は3.7cm→3.4cmと薄くなっているので、増えているのはスタンドを含む設置奥行のほうです。理由は公表されていません。旧機がぴったり収まっていた方は、買い替え前に採寸しておいたほうが安全です。

ゲーム用途で知っておきたい端子の話

HDMI 仕様が据え置きという話をしましたが、実用面でもうひとつ押さえておきたいことがあります。4系統すべてが同じ性能ではありません。

日本向けの製品仕様表には端子番号の記載がないのですが、ソニー海外公式の同型番(K-65XR80M2)の仕様ページには、はっきりこう書かれています。

Variable Refresh Rate (VRR) Yes (for HDMI™3/4)

VRR が使えるのは HDMI 3 と 4 だけ、ということです。ALLM と HDCP 2.3 は1〜4の全ポート対応と書かれているので、差があるのは VRR。4K/120Hz 入力についても同じです。ソニーの公式サポート記事「テレビのHDMI端子の解像度と色深度」は、対象機種の一覧に BRAVIA 8 II(XR80M2)を挙げたうえで、拡張フォーマット(VRR や 6〜12Gbps)に対応するのは HDMI 3 と HDMI 4 だと説明しています。

BRAVIA 8 IIのHDMI 1〜4について、VRR・4Kエンハンスドフォーマット・ALLM・HDCP 2.3の対応を並べた図
全ポート共通なのはALLMとHDCP 2.3。VRRと4Kエンハンスドフォーマットは3・4に限られる

PS5 やゲーミングPC をつなぐなら、HDMI 3 か 4 に挿すのが安全です。ちなみに BRAVIA 8 II の入力遅延は、4K/120fps 入力時で最短8.5ms と公表されています。

VRR がそもそも何をしている機能なのかは、こちらで詳しく解説しています。ゲーム用途でテレビを選ぶなら、押さえておいて損のない基礎です。

A95L の入れ替わりと、BRAVIA 9 II との選び分け

BRAVIA 8 II は型番の系譜では BRAVIA 8(XR80)の後継です。ただしパネル方式は QD-OLED で、これは A95L と同じ。販売店ブログによると A95L はソニーストアでの取り扱いが終了したと報じられており、実質的に入れ替わる形になりました。ソニー自身が「A95Lの後継」と明言しているわけではありませんが、価格を並べると位置づけは見えてきます。

ただし価格を並べるときは、基準がそろっていない点に注意が必要です。A95L の65V型770,000円・55V型583,000円はソニーストアの販売価格です(55V型は値下げ後の最終期の金額)。一方、BRAVIA 8 II の605,000円・462,000円は発売時の市場推定価格です。指標も時期も違うので、差額をそのまま世代間の値下げ額としては読めません。それでも、QD-OLED を積んだブラビアの価格帯が下りてきていることは言えます。

同時期の上位機、BRAVIA 9 II とはパネル方式そのものが違います。

判断軸BRAVIA 8 IIBRAVIA 9 II
パネルQD-OLED(自発光)True RGB(RGB Mini LED 液晶)
サイズ55/6565/75/85/115
65型の価格(税込)605,000円前後660,000円
得意なところ画素単位の黒、視野角明るい部屋、大画面

65V型どうしなら差は5万5千円です。65V型では、QD-OLED の 8 II と True RGB の 9 II が正面から競合します。画素単位の黒と視野角を取るか、明るい部屋での見やすさと大画面を取るか、という選択になります。一方75V型以上には 8 II がないので、そこからは 9 II か、50〜98V型と幅の広い BRAVIA 7 II が候補です。

なお「当社の家庭用テレビ史上最大の色域」という表現は、9 II 単独のものではありません。ソニーの公式リリースは BRAVIA 9 II と BRAVIA 7 II の2機種をまとめて「True RGB ブラビア」として、その訴求を与えています。

BRAVIA 9 II を実機で見た印象は別記事にまとめています。液晶と有機ELで迷っている方は、こちらもどうぞ。

発売日時点の実売と、10%OFFになる条件

価格.com の最安は、55V型が443,120円、65V型が598,800円でした(2026年9月19日時点)。市場推定価格と比べると55V型で約4%、65V型で約1%安い水準です。発売直後なので、大幅な値崩れはまだありません。

この記事の価格について

本記事に載せている実売価格は、いずれも2026年9月19日時点で確認した参考値です。価格.com掲載の最安価格は販売店の在庫や時期で日々動きますし、セール期間中はさらに下がることもあります。記事を読んだ時点の実際の価格とは差が出ている前提でご覧いただき、購入前には必ず最新の価格をご確認ください。

ソニーストアで買う場合、クーポンの扱いが少しややこしいので整理しておきます。

  • 2026年秋冬の定期クーポン(10%OFF)は10月1日以降のお買い物に利用可能。2026年9月9日時点の累計購入金額をもとに、9月下旬にメールで案内されます
  • ただし、2026春夏の定期クーポン(10%OFF)は9月30日まで有効です
  • My Sony 新規登録者向けの Welcome クーポン(10%OFF)も、9月30日までが期限です

つまり「発売日に買うと10%OFFにならない」わけではありません。手元のクーポンを My Sony で確認してから買うのが得策です。なお Welcome クーポンは「順次登録」なので、登録した瞬間に必ず使えるとは限りません。

このほか、ソニーストアでは3年ベーシックの長期保証が付属し、24回払いまで分割払手数料が0%、基本設置サービスも無料です。

よくある質問

Q
旧 BRAVIA 8 と型番はどう違いますか?
A

末尾の「M2」の有無だけです。K-55XR80 が2024年の旧機、K-55XR80M2 が今回の新機種になります。購入時は必ず M2 を確認してください。

Q
海外では前から売られていたのですか?
A

ソニー米国公式の仕様ページには「Model year: 2025」と記載されています。**日本では2026年9月発売の新製品ですが、グローバルでは2025年モデルとして先行投入済み**という位置づけです。

Q
旧 BRAVIA 8 のパネルは何ですか?
A

ソニーは「有機ELパネル」としか公表していません。実機を購入して測定した RTINGS は WOLED としています。

Q
My Cinema は BRAVIA 8 II だけの新機能ですか?
A

違います。ソニー公式サポートの対応機種一覧には、2024年発売モデルとして BRAVIA 9/8/7/A95L シリーズも挙げられており、それらは最新の本体ソフトウェアへの更新が案内されています。

Q
リモコンは完全に無線になりましたか?
A

TVerボタン付きの無線リモコンが付属します。ソニーの BRAVIA 8 II 発表資料には「電源オン・オフおよびチャンネル操作は、従来機種と同様に赤外線方式で動作します」という注記があります。

まとめ:変わったのはパネルと、その制御まわり

BRAVIA 8 II を仕様表で追いかけると、進化が集中しているのはパネルとパネル制御側で、プロセッサーの表記も HDMI の仕様も旧機のままだという構造が見えてきます。QD-OLED 化と低反射フィルムという2つの物理的な変更に、明るさの訴求と省電力が乗った世代、という読み方が実態に近いと思います。

  • パネルが QD-OLED 化。あわせて低反射フィルムを新搭載
  • プロセッサーの表記は「XR」のまま。中身まで同一かどうかは非公表。HDMI 仕様は完全据え置き
  • ピーク輝度は従来の BRAVIA 8 比で最大1.5倍(ソニー公式)。ただし nit 値は非公表
  • 定格消費電力は55型で33W、65型で47W減。ただし年間消費電力量は65型が195→190kWhなのに対し、55型は167→169kWhと微増
  • 77型が消え、スピーカーは5基→4基、65型の奥行は9.1cm増

明るいリビングで映画を見る方、映り込みに悩んでいる方には、低反射フィルムと輝度向上の組み合わせが効いてきます。逆に、ゲームのために端子性能を求めて買い替えるなら、今回は見送っても構いません。旧 BRAVIA 8 は55V型が22万円台まで下がっているので、そちらも現実的な選択肢です。

私自身、リビングで前世代の K-55XR80 を毎日使っていて、有機ELで映画を見る没入感には十分満足しています。それでも今回の仕様表を並べてみて気になったのは、65V型の奥行が9cm増えていることでした。買い替えを検討している方は、まずテレビ台の奥行を測るところから始めてみてください。

プログラマー。高校時代のWALKMAN+Sonyイヤホンをきっかけに、10年以上にわたってオーディオを中心にガジェットを買い続けています。SONY XBA-A3は今も現役で愛用、Sonyワイヤレスイヤホンは3世代追いかけて進化を体感してきました。得意領域はイヤホン・ヘッドホン、4K有機ELテレビ、ゲーミングマウス、PC周辺機器。「自分が本気で買うつもりで判断軸を作る」スタンスで、後悔のない買い物のための情報を発信しています。

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