ノイズキャンセリング付きの完全ワイヤレスイヤホンは、ここ数年で5,000〜6,000円台でも当たり前に選べるようになりました。Amazonの売れ筋ランキングを見ていて、Ankerの「Soundcore P31i」が気になった方も多いのではないでしょうか。2025年11月に税込5,990円で発売されたモデルで、公式は2021年のLife P2 Miniを前モデルと位置づけています。
ややこしいのは、同じ5,990円のP30iが今も売られていて、上には7,990円のP40i、9,990円のP42iも並んでいることです。そこで、日本の公式仕様をもとに4機種の違いを突き合わせ、海外版との仕様の差や口コミで多い不満まで整理しました。私はP31iを持っていないので、使用感の部分は公開レビューの傾向として紹介します。どれを買うか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
製品スペック一覧
Soundcore P31iは、5,990円でANC・外音取り込み・マルチポイント・IP55・Bluetooth 6.1をそろえたカナル型の完全ワイヤレスイヤホンです。一方で、ワイヤレス充電と装着検出には対応していません。

日本の公式ページと取扱説明書に載っている仕様を、1つの表にまとめました。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 製品名 | Anker Soundcore P31i(型番 D1202) |
| 発売日 | 2025年11月4日 |
| 価格 | 税込 約5,990円前後(Anker公式ストア・Amazon、2026年10月24日時点) |
| ドライバー | 11mmダイナミック(BassUp対応) |
| ノイズキャンセリング | アクティブノイズキャンセリング(低減量は非公開)、外音取り込みあり |
| 対応コーデック | SBC/AAC |
| Bluetooth | 6.1(マルチポイント2台、Google Fast Pair対応) |
| 再生時間 | ANCオン:本体8時間/ケース込み40時間、ANCオフ:本体10時間/ケース込み50時間 |
| 充電 | USB Type-C(ワイヤレス充電なし)、10分の充電で最大3.5時間再生 |
| 通話 | 6マイク+AIノイズリダクション |
| 重さ | 片耳 約4.4g/ケース込み 約58.6g |
| 防塵・防水 | IP55(イヤホン本体のみ) |
| 装着検出 | なし |
| カラー | ブラック、ホワイト、ライトブルー、ピンク |
| アプリ | Soundcore(イコライザー、HearID、3Dオーディオ、AI翻訳ほか) |
この記事の価格について
本記事の価格は、2026年10月24日時点でAnker公式ストアとAmazonで確認した税込の参考値です。P31iはAmazonのセールで4,990円前後まで下がったことが何度かあり、時期によって価格は動きます。他社モデルの価格は発売時の価格で、いまの実売とは差がある可能性があります。購入前には必ず最新の価格をご確認ください。
引用: https://www.ankerjapan.com/products/d1202
引用: https://lp.ankerjapan.com/hubfs/aoos/manual/D1202Manual.pdf
主な特徴|5,990円でANC・マルチポイント・IP55まで揃う
P31iの強みは、ANCを入れたまま本体8時間・ケース込み40時間という電池持ちと、マルチポイントやIP55といった日常で効く機能を、この価格に詰め込んだ点にあります。
ANCと外音取り込み:強さは自動でも手動でも
ノイズキャンセリングは、耳の形や周囲の環境に合わせて効き方を最適化する方式です。アプリでは自動調整のほか、強さを手動で選んだりシーンを指定したりできます。日本の公式は方式名も低減量(dB)も出していないため、「どれくらい消えるか」は数字では比べられません。
11mmドライバーとBassUp:低音を押し出す味付け
ドライバーはP30iの10mmから11mmに大きくなり、低音を強める独自技術「BassUp」も使えます。公開レビューでは「低音寄り」と評されることが多く、ボーカルの繊細さより、ビートの迫力を楽しみたい人に向いた方向性でしょう。
ANCオンで本体8時間・ケース込み40時間
ANCを入れたままでも本体だけで8時間、充電ケースと合わせて40時間聴けます。同価格帯のEarFun Air Pro 4i(6.5時間/27時間)やHaylou Flowbuds N50(7.5時間/24時間)と比べても長めです。電池が切れても、10分の充電で最大3.5時間ぶん回復します。
Bluetooth 6.1・マルチポイント・IP55
スマホとPCなど2台に同時につながるマルチポイントは、初期設定で有効になっています。AndroidならGoogle Fast Pairに対応しているので、最初のペアリングの手間も減らせます。イヤホン本体はIP55で、雨や汗、ほこりに対する備えもこの価格帯では手厚いほうです。
アプリでできること
- イコライザーとHearID: 好みに合わせて音を調整でき、聴力測定から自分向けの音質も作れる
- 3Dオーディオ: 音楽・映画・ゲームの3モードで、音の広がりを切り替えられる
- AI翻訳: 相手の話を聞き取る翻訳と、対話の翻訳の2種類。ただし使う前にマルチポイントをオフにする必要がある
- 装着テスト・イヤホンを探す: イヤーチップ選びや、なくしたときの捜索に使える
P30i・P40i・P42iとの違い|価格差で増えるもの
同じ5,990円ならP30iよりP31iが上で、+2,000円のP40iでワイヤレス充電、+4,000円のP42iでLDACと装着検出が加わります。

4機種の主な仕様を、価格の安い順に並べました。
| 項目 | P30i | P31i | P40i | P42i |
|---|---|---|---|---|
| 発売 | 2024年6月 | 2025年11月 | 2024年4月 | 2026年7月 |
| 公式価格(税込) | 5,990円 | 5,990円 | 7,990円 | 9,990円 |
| ANC | アクティブNC | アクティブNC | ウルトラNC 2.0 | ウルトラNC 3.5 |
| コーデック | SBC/AAC | SBC/AAC | SBC/AAC | SBC/AAC/LDAC |
| Bluetooth | 5.4 | 6.1 | 5.3 | 6.1 |
| 再生(ANCオン) | 7h/30h | 8h/40h | 10h/50h | 8.5h/40h |
| 急速充電(10分) | 約2時間 | 最大3.5時間 | 約5時間 | 最大3.5時間 |
| ワイヤレス充電 | なし | なし | あり | あり |
| 装着検出 | 記載なし | なし | なし | あり |
| 防塵・防水 | IP54 | IP55 | IPX5 | IP55 |
| 重さ(片耳/ケース込み) | 約4.3g/約52.8g | 約4.4g/約58.6g | 約5g/58g | 約4.4g/約51g |
※再生時間は「本体/ケース込み」。P42iのLDACは、アプリとファームウェアの更新後にAndroidで使えます。
P30iとの違い:同じ5,990円なら、ほぼ全項目でP31i
P31iは、ドライバー、Bluetooth、ANCオン時の再生時間、急速充電、防塵防水のすべてでP30iを上回ります。イヤーチップにXSサイズが加わったのも、耳の小さい人にはうれしい変更です。P30iに残る利点は、ケースがスマホスタンドになることと、ケースが約6g軽いことくらい。P30iが大きく値下がりしていない限り、選ぶ理由はほとんどありません。
P40iとの違い:ワイヤレス充電と電池の長さ
P40iは、ワイヤレス充電、自動で効き方を変えるウルトラノイズキャンセリング 2.0、ANCオンで10時間という電池が強みです。ただしBluetoothは5.3と古く、防水は「IPX5」で防塵の等級がありません(Xは防塵の試験をしていないという意味)。表記の読み方はIPxx規格の記事で解説しています。しかも2026年10月24日時点で、公式ストアの在庫は4色中パープルだけでした。
P42iとの違い:+4,000円でLDAC・ウルトラNC 3.5・装着検出
P42iは実質的にP40iの後継です。ノイズキャンセリングは装着状態まで検知する「ウルトラノイズキャンセリング 3.5」になり、LDAC、ワイヤレス充電、外すと再生が止まる装着検出も加わります。ケース込みの重さは約51gで、P31iより約7.6g軽い計算です。一方でANCオン時の電池は8.5時間/40時間と、P31iとほとんど変わりません。
Life P2 Miniから買い替える場合
公式がP31iの前モデルとしているLife P2 Miniには、ANCも外音取り込みもマルチポイントもありませんでした(Gizmodo Japanの記載)。買い替えれば、この3つとSoundcoreアプリへの対応がまとめて手に入ります。
引用: https://www.ankerjapan.com/products/a3959
引用: https://www.ankerjapan.com/products/a3955
引用: https://www.ankerjapan.com/products/d1205
引用: https://www.gizmodo.jp/2025/11/amazon-short-ankersoundcore-p31i.html
海外の「LDAC対応」は日本版の仕様ではない
日本で売られているP31iの対応コーデックはSBCとAACだけで、LDACには対応していません(2026年10月24日時点)。ところが、海外(EU)の公式ページはLDAC対応やハイレゾ認証、最大52dBのノイズ低減をうたっていて、海外の大手レビューサイトも長所に「LDAC対応」を挙げています。

| 項目 | 日本の公式仕様 | 海外(EU)の公式ページ |
|---|---|---|
| 対応コーデック | SBC/AAC | SBC/AAC/LDAC |
| ハイレゾ | 対応表記なし | Hi-Res認証 |
| ノイズ低減量 | 非公開 | 最大52dB |
| 価格 | 5,990円 | €69.99 |
日本の公式ページの製品比較表でも、LDAC対応の機種には「SBC / AAC / LDAC」とあるのに対し、P31iは「SBC / AAC」です。海外のレビューや動画を参考にするときは、この差を頭に入れておかないと期待はずれになりかねません。後から日本版に追加されるという公式の発表もありません。
LDACで聴きたいなら、Androidスマホと組み合わせる前提でP42iを選ぶのが確実です。なお、iPhoneはそもそもLDACに対応していないので、iPhoneで使う人にとってはAACに対応していれば十分でしょう。
SBC・AAC・LDACがそれぞれどう違い、どの組み合わせで効くのかは、別の記事でまとめています。スマホとの相性を確かめたい方は、あわせてご覧ください。

引用: https://www.soundcore.com/eu/products/d1202-p31i-wirless-earbuds-with-anc
買う前に知っておきたい点|省かれた機能と口コミの不満
5,990円に収めるために省かれた機能と、口コミで指摘が多い点を先に押さえておくと、買ってからの「思っていたのと違う」を防げます。
- ワイヤレス充電に対応しない: 充電はUSB Type-Cだけ。置くだけ充電を使いたいならP40iかP42i
- 装着検出がない: 耳から外しても再生は止まらないので、スマホ側で止める必要がある
- AI翻訳とマルチポイントは同時に使えない: 取扱説明書に、翻訳の前にマルチポイントをオフにするよう書かれている
- 接続の評価が割れている: Amazonのレビューでは「ペアリング」の項目だけ肯定111件・否定96件と拮抗し、接続の安定や切り替えの遅さを指摘する声がある
ほかに口コミで目立つのは、「ノイズキャンセリングは高価格帯ほどではない」「低音が強め」という声です。イヤホン側で音量を変えられない、片耳で使うと音がモノラルにまとまらない、という投稿もありますが、公式の資料では確認できませんでした。一方で、Amazonでは評価4.4・4,500件超のうち、コスパに触れたものの大半が肯定的です(2026年10月24日時点)。
同じ価格帯の他社モデルとの比較|電池はP31i、LDACは他社
同じ6,000〜9,000円前後のANCイヤホンと比べると、P31iはANCオン時の電池持ちとIP55で勝り、LDACやワイヤレス充電では他社に譲ります。
| 項目 | Soundcore P31i | EarFun Air Pro 4i | JBL Wave Buds 2 | Haylou Flowbuds N50 |
|---|---|---|---|---|
| 価格(発売時・税込) | 5,990円 | 7,990円(市場想定) | 8,800円 | 6,480円 |
| ドライバー | 11mm | 11mm | 8mm | 12.4mm |
| コーデック | SBC/AAC | SBC/AAC/LDAC | SBC/AAC | SBC/LDAC |
| 再生(ANCオン) | 8h/40h | 6.5h/27h | — | 7.5h/24h |
| ワイヤレス充電 | なし | あり | — | なし |
| 防塵・防水 | IP55 | IP55 | IP54 | IPX5 |
※再生時間は「本体/ケース込み」。EarFun・JBLは発表時の報道(AV Watch、PHILE WEB)の値で、「—」は報道に記載がない項目です。
LDACとワイヤレス充電の両方が欲しいなら、EarFun Air Pro 4iがいちばん近い候補です。Haylou Flowbuds N50は6,480円でLDACに対応する一方、ケース込みの電池はP31iの6割ほどにとどまります。
Flowbuds N50を含む6,000〜12,000円台のANCイヤホン3機種は、公式仕様をもとに別の記事で比べています。LDAC対応の安いモデルを探している方は参考にしてください。
引用: https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/2040551.html
引用: https://www.phileweb.com/news/d-av/202410/08/61255.html
P31iが向いている人
初めてのノイキャンを6,000円以内で試したい人
ANCと外音取り込みが一通りそろい、アプリで効き方も調整できます。セールなら5,000円を切ることもあるので、ノイキャンがどういうものかを知る最初の1台として手を出しやすい価格です。
iPhoneとPCを行き来する人
iPhoneが使うAACに対応し、マルチポイントでMacやWindowsのPCにも同時につながります。LDACがなくても、iPhoneユーザーなら失うものはありません。
通勤・通学で毎日使う人
ANCを入れたまま本体8時間もつので、往復の通勤なら数日は充電を気にせず使えます。イヤホン本体はIP55なので、急な雨や汗にもある程度は耐えられるでしょう。
よくある質問(FAQ)
- QP31iとP30iの違いは?
- A
価格は同じ5,990円ですが、P31iはドライバーが11mm、Bluetooth 6.1、ANCオン時の再生8時間、IP55、急速充電10分で3.5時間と、ほぼすべての項目で上回ります。P30iに残る利点は、ケースのスマホスタンドくらいです。
- QP31iとP40i、どちらを選ぶべき?
- A
P40iはワイヤレス充電と長い電池が強みですが、公式ストアでは在庫がほぼなく、Bluetooth 5.3・IPX5と仕様が古くなっています。ワイヤレス充電が要らなければP31i、欲しければ後継のP42iを軸に考えるのが分かりやすいでしょう。
- QLDACには対応していますか?
- A
日本の公式仕様ではSBCとAACのみで、LDACには対応していません(2026年10月24日時点)。海外の公式ページはLDAC対応をうたっているため、LDACが必要ならP42i(Androidのみ)を選んでください。
- Q最安値で買うには?
- A
通常は公式ストア・Amazonとも5,990円で、Amazonのセールで4,990円前後まで下がった実績があります。Amazonで買うときは、18ヶ月保証の対象が販売元AnkerDirectの商品に限られる点も確認しておきましょう。
- QiPhoneでも使えますか?
- A
AACに対応しているのでiPhoneでも使え、SoundcoreアプリにもiOS版があります。マルチポイントは初期設定で有効なので、iPhoneとPCの2台に同時につなげます。
まとめ:同じ5,990円ならP31i、LDACが要るならP42i
Soundcore P31iは、同じ5,990円のP30iをほぼ全項目で上回り、ANCオンで8時間・40時間という電池とIP55、マルチポイントをそろえたモデルです。その代わり、ワイヤレス充電・装着検出・LDACは省かれていて、ここが上位のP42iとの4,000円の差になっています。
- 価格: 税込5,990円。セールでは4,990円前後まで下がったことがある
- 電池: ANCオンで本体8時間・ケース込み40時間、10分の充電で最大3.5時間
- 接続: Bluetooth 6.1、マルチポイント、Fast Pair。コーデックはSBC/AAC
- 省かれたもの: ワイヤレス充電、装着検出、LDAC(LDACは海外版のみの表記)
初めてノイキャンを試す人や、iPhoneとPCを行き来する人には、まず候補に入れていい1台です。置くだけ充電やLDACにこだわるなら、+4,000円でP42iを選ぶほうが後悔は少ないでしょう。
現時点での評価
実機は持っていないため、公式情報と公開レビューから採点できる5項目に絞りました(音質・ノイキャンの効き・装着感は外しています)。
- バッテリー:★★★★☆ 4.5(ANCオン8h/40h、10分で3.5時間)
- 接続性:★★★★☆ 4.0(BT 6.1・マルチポイント、接続の評価は割れる)
- 防塵・防水:★★★★☆ 4.0(イヤホン本体IP55、ケースは対象外)
- 機能:★★★☆☆ 3.5(ワイヤレス充電・装着検出なし)
- コスパ:★★★★☆ 4.5(5,990円でANC・IP55・BT 6.1)
- 総合:★★★★☆ 4.0
私自身、Sony WF-1000XMシリーズをXM4・XM5・XM6と3世代使ってきました。いま愛用しているXM6はワイヤレス充電とLDACに対応していますが、P31iはその2つを思い切って省き、電池と防水、マルチポイントに振って5,990円に収めています。何を削って何を残したかがはっきりしている製品は、自分の使い方と照らし合わせやすいものです。初めてのノイキャンを手ごろな価格で探しているなら、ぜひ候補として手に取ってみてください。

