10年ほど使ってきたテレビを前に、「テレビの寿命って何年なんだろう」と検索してみると、「平均10.8年」という答えがすぐに出てきます。手元のテレビがちょうどそのくらいなら、そろそろ替え時なのかと考えてしまいますよね。
ただ、この10.8年は、内閣府の消費動向調査で2026年3月までの1年間にテレビを買い替えた二人以上の世帯が、前のテレビを使っていた年数の平均です。テレビが何年で壊れるかを測った数字ではありません。
そこで、同じ調査の2005〜2026年の22回分を並べ直し、調査方法がいつ変わったかと突き合わせてみました。意外だったのは、2014年の6.3年という落ち込みが、ちょうど郵送調査への切り替えと重なっていたこと。そして、買い替え理由に占める「故障」が、2012年には16.2%まで下がっていたことです。22回の推移と理由の変化、修理か買い替えかを決める前に確かめたいことを、元データのCSVとあわせてまとめました。今のテレビの替え時に迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
テレビの寿命は何年?3つの数字に分けると答えが変わる
「テレビの寿命」として語られる数字は、故障までの年数、買い替えまでの年数、部品の保有期間の3つに分けられます。このうち統計で分かるのは買い替えまでの年数で、2026年3月調査の二人以上の世帯では平均10.8年でした。
3つの数字は、数えているものも、数え始める時点も違います。
| 数字 | 何を数えたものか | 数え始める時点 | 値 |
|---|---|---|---|
| 故障までの年数(故障寿命) | 使っているテレビが壊れるまでの年数 | 使い始め | この統計では分からない |
| 買い替え前の使用年数 | 買い替えた世帯が、前のテレビを使っていた年数 | 使い始め | 平均10.8年(2026年3月調査・二人以上の世帯) |
| 補修用性能部品の保有期間 | メーカーが修理用の部品を持っておく最低限の期間 | その機種の製造打ち切り | 8年(確認した5社) |

とくに混同されやすいのが、10.8年と8年の関係です。買い替え前の使用年数は、テレビを使い始めた日から数える決まりです。一方の部品の保有期間は、その機種の製造が終わった日から数えます。発売直後に買った人と製造が終わる間際に買った人とでは、同じ「購入から10年」でも、部品の残り期間がまったく違ってきます。「10.8年から8年を引いた残りの期間は修理できない」といった計算は成り立たないわけです。
10.8年は「買い替えた世帯が、前のテレビを使っていた年数」
消費動向調査の平均使用年数10.8年は、2025年4月〜2026年3月にテレビを買い替えた二人以上の世帯(315世帯)が、それまで使っていたテレビを何年使ったかの平均です。調査の決まりを確かめると、この数字の範囲がはっきりします。
- 買い替えの定義: 今あるテレビを処分して、代わりに新しく買った場合だけが対象。初めて買う場合や、処分せずに買い足す場合は入らない
- 2台以上を買い替えた場合: いちばん長く使った1台について答える
- 年数の答え方: 年単位で切り上げて答える(2026年3月調査の記入要領の例では、3年2か月なら4年)
- 対象の世帯: 実際に買い替えた世帯だけ。今使われているテレビの平均年齢ではない
つまり、故障して買い替えた世帯も、まだ映るのに大きな画面へ替えた世帯も、同じ平均に入っています。年数は切り上げた整数で答えるので、10.8年を「10年10か月」のように月数へ直して読むのも避けたいところです。
同じ2026年3月調査でも、世帯区分によって値は少しずつ違います。
| 世帯区分(2026年3月調査) | 平均使用年数 | 買い替え理由「故障」 | 買い替えた世帯数 |
|---|---|---|---|
| 二人以上の世帯 | 10.8年 | 70.8% | 315 |
| 単身世帯 | 10.5年 | 66.4% | 128 |
| 総世帯 | 10.7年 | 69.5% | 443 |
ネットでよく見る10.8年は二人以上の世帯の値で、日本の全世帯の平均ではありません。単身世帯も含めた総世帯の値は10.7年です。総世帯は内閣府が加重して集計した値なので、二人以上と単身の値から計算し直せるものでもありません。この記事のグラフと表は、すべて二人以上の世帯の値でそろえています。
引用: https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi_yougokaisetsu.html
引用: https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/kinyuunoshikata202603.pdf
2005〜2026年の22回で、10.8年は公表値の中で最も長い
2026年3月調査のテレビ買い替え前平均使用年数10.8年(二人以上の世帯)は、2005〜2026年の公表値22回で最も長い値でした。

2005〜2012年は8.9〜9.7年のあいだで上下していて、大きな流れは見えません。そこから2013年に7.9年、2014年に6.3年まで下がり、2017年には9.3年まで戻りました。2021年に初めて10年台に乗り、2023・2024年は10.7年、2025年は10.5年、そして2026年が10.8年です。
ただし、この線は一本の物差しで測り続けたものではありません。調査方法は2014年に郵送へ切り替わり、その後もオンライン回答の導入や回収のしかたの変更が続いています。そこで、方法の大きな変更をはさまない近年だけを見てみます。2021年から2024年にかけて、テレビの買い替え前平均使用年数は10.0年から10.7年へ0.7年延びました。
2021年3月調査は、2020年4月に新しく調査を始める世帯への初回の訪問をやめた後の、最初の回です。2025年3月には初回からオンラインで答えられるようになったので、2つの変更のあいだに収まる2021〜2024年の4回で比べました。とはいえ、同じテレビや同じ世帯を追いかけた結果ではありません。テレビが丈夫になったことを示す数字としては使えないのです。
「最も長い」というのも、あくまで22回の公表値の中での話です。年ごとのばらつきの大きさは公表されていないため、10.7年と10.8年の差に統計的な意味があるかまでは判断できません。
22回のうち、テレビを買い替えた世帯数まで分かるのは、2014年以降の13回です。
| 調査年(3月) | 平均使用年数 | 買い替え理由「故障」 | 買い替えた世帯数 | 調査方法 |
|---|---|---|---|---|
| 2005 | 9.4年 | 73.5% | 未取得 | 訪問 |
| 2006 | 9.1年 | 66.4% | 未取得 | 訪問 |
| 2007 | 9.4年 | 60.2% | 未取得 | 訪問 |
| 2008 | 9.6年 | 56.7% | 未取得 | 訪問 |
| 2009 | 9.2年 | 53.7% | 未取得 | 訪問 |
| 2010 | 9.7年 | 37.1% | 未取得 | 訪問 |
| 2011 | 9.3年 | 17.2% | 未取得 | 訪問 |
| 2012 | 8.9年 | 16.2% | 未取得 | 訪問 |
| 2013 | 7.9年 | 33.1% | 未取得 | 訪問 |
| 2014 | 6.3年 | 38.7% | 450 | 郵送(切り替え後の最初の回) |
| 2015 | 7.4年 | 39.7% | 401 | 郵送 |
| 2016 | 8.0年 | 57.4% | 251 | 郵送 |
| 2017 | 9.3年 | 64.7% | 241 | 郵送(調査票の変更) |
| 2018 | 9.5年 | 71.1% | 263 | 郵送 |
| 2019 | 9.7年 | 62.2% | 304 | 郵送(オンライン導入途中) |
| 2020 | 9.7年 | 66.5% | 373 | 郵送・オンライン |
| 2021 | 10.0年 | 61.9% | 459 | 郵送・オンライン(初回訪問の停止後) |
| 2022 | 10.4年 | 64.8% | 361 | 郵送・オンライン |
| 2023 | 10.7年 | 64.8% | 310 | 郵送・オンライン |
| 2024 | 10.7年 | 69.7% | 360 | 郵送・オンライン |
| 2025 | 10.5年 | 66.8% | 253 | 郵送・オンライン(初回からオンライン可) |
| 2026 | 10.8年 | 70.8% | 315 | 郵送・オンライン |
※二人以上の世帯(2016年3月より前の名称は「一般世帯」)。品目名は2025年まで「カラーテレビ」で、2026年から「テレビ」に変わりましたが、内閣府は定義の変更はないと説明しています。2005〜2013年の買い替えた世帯数は、参照した原表にテレビを買い替えた世帯の数が載っていないため「未取得」としました。同じ表にある「集計世帯数」は調査全体の世帯数で、テレビを買い替えた世帯の数ではありません。
2014年の6.3年は「テレビが壊れやすくなった」証拠ではない
2014年3月調査の6.3年は22回で最も短い値ですが、この回は調査方法が訪問から郵送に切り替わった最初の年にあたります。テレビの耐久性が落ちたことを示す数字とは言えません。
内閣府は2013年4月から、調査員が世帯を訪ねて調査票を預け、後日受け取りに行く「訪問留置」をやめ、郵送による調査に切り替えました。切り替えの前には、2012年7月から2013年3月まで郵送の試験調査を行い、同じ時期の訪問調査と結果を比べています。その比較で、テレビ(当時はカラーテレビ)の数字はこうでした。
| 2013年3月・カラーテレビ(内閣府の試験調査) | 訪問調査 | 郵送の試験調査 |
|---|---|---|
| 平均使用年数 | 7.9年 | 5.5年 |
| 買い替え理由「故障」 | 33.1% | 31.4% |
| 上位品目への移行 | 31.3% | 29.1% |
| 住居の変更 | 5.9% | 7.2% |
| その他 | 29.7% | 32.3% |
同じ時期・同じ品目なのに、聞き方が違うだけで平均使用年数に2.4年の差が出ていたことになります。内閣府の概要でも、携帯電話を除く品目では試験調査のほうが平均使用年数が短かったとされています。
これは内閣府が行った試験調査の結果で、トータルナビが行った実験ではありません。また、2つは同じ時期の別々の世帯を対象にしたもので、同じ世帯に方法だけを変えて聞き直したわけではない点にも注意が必要です。差の原因を調査方法だけに絞れないので、この記事では、2014年以降の値に2.4年を足して補正するような使い方もしていません。
地デジ移行の影響を考えたくもなりますが、同じ年に調査方法が変わっている以上、このデータだけでは切り分けられません。調査方法の変更も2014年だけではなく、2017年には調査票が変わり、2018年10月〜2019年12月にはオンライン併用が入りました。2020年4月には初回の訪問をやめ、2025年3月からは初回からオンラインで答えられます。グラフの線がつながって見えても、22回すべてが同じ条件の測定ではありません。
引用: https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shiken2012/shiken_summary.html
買い替え理由の「故障」は、2012年の16.2%から2026年は70.8%
テレビの買い替え理由に占める故障の割合は、2012年の16.2%から2026年の70.8%へ54.6ポイント増えました(二人以上の世帯)。ただし、この間には2014年の郵送化をはじめ調査方法の変更があり、同じ条件で比べた数字ではありません。

2005年には73.5%あった「故障」は、年を追うごとに下がり、2011年に17.2%、2012年に16.2%まで縮みました。入れ替わるように増えたのが「その他」です。2010年の21.9%から2011年に45.7%、2012年には55.7%と、買い替えた世帯の半分を超えました。その後は「故障」が戻り、2017年以降は6〜7割台、2026年は70.8%でした。
この時期には、家電エコポイント(対象は2009年5月15日〜2011年3月31日の購入)と、地上アナログ放送の終了(2011年7月24日。岩手・宮城・福島の3県は2012年3月31日)が重なっています。2012年3月調査が対象にしているのは、2011年4月〜2012年3月の買い替えです。ただ、公表されている理由は4つだけで、「地デジ対応」や「エコポイント」という項目はありません。その他の55.7%を、すべて地デジ対応の買い替えと読み替えることはできないのです。
もうひとつ気をつけたいのが、70.8%の意味です。これは買い替えた世帯のうち故障を理由に挙げた割合で、使っているテレビの7割が壊れるという「故障率」ではありません。故障で買い替えた世帯だけの平均使用年数も、公表されていません。10.8年と70.8%を掛け合わせても、故障までの年数は出せないわけです。
引用: https://www.env.go.jp/policy/ep_kaden/index.html
引用: https://www.sony.jp/support/analogbc-info.html
液晶と有機EL、メーカー別の寿命はこの統計では分からない
消費動向調査のテレビは1つの品目としてまとめて集計されているため、液晶と有機ELの違いや、メーカーごとの寿命は分かりません。この統計で分かることと分からないことを整理すると、次のようになります。
| 知りたいこと | この統計で分かるか | 補足 |
|---|---|---|
| 買い替えた世帯が、前のテレビを使っていた年数の平均 | 分かる | 2026年3月調査・二人以上の世帯で10.8年 |
| 買い替え理由のうち「故障」を選んだ割合 | 分かる | 4つの理由から1つを選ぶ回答。故障率ではない |
| 故障で買い替えた世帯だけの平均使用年数 | 分からない | 公表されていない |
| 今使っているテレビが何年後に壊れるか | 分からない | 使用中のテレビを追跡した調査ではない |
| 液晶・有機EL別、メーカー別の寿命 | 分からない | パネル方式やメーカーの区分がない |
| 中央値・ばらつき・統計的な有意差 | 分からない | 個票や分散が公表されていない |
ネットでは、液晶や有機ELの寿命を時間数で示した数字や、メーカー別の寿命を並べた表も見かけます。ただ、出典をたどれないものが多いため、この記事には載せていません。私もリビングで有機ELのBRAVIA K-55XR80を毎日使っています。とはいえ、手元の1台だけでは、有機ELが何年もつかまでは分かりません。
修理か買い替えか:年数より先に確かめること
今のテレビを修理するか買い替えるかは、使った年数ではなく、型名ごとの修理の受付状況と見積り、そして次のテレビに求める機能で決めるのが確実です。平均の10.8年を過ぎたかどうかは、個々のテレビの状態とは関係がありません。
調子が悪くなったときに確かめたいのは、次の5つです。
- 型名と症状: 本体のラベルや取扱説明書で型名を控え、「電源が入らない」「映像が出ない」など、いつからどうなるのかを書き出す
- 保証: メーカー保証や販売店の延長保証が残っていないかを確かめる
- メーカーの修理受付: 型名を入れて、修理を受け付けているかと目安料金を調べる
- 見積り: 修理費は技術料・部品代・出張料で決まり、見積りだけでも費用がかかる場合がある
- 欲しい機能: 4Kや動画アプリ、画面の大きさなど、修理しても手に入らないものがあるか
メーカーの診断ページを使うと、受付の状況まで一度に確かめられます。ソニーの修理受付期間の案内では、型名を入力して症状を選ぶと、修理を受け付けているか、目安の料金はいくらかへ進めます。補修用の部品の在庫がなくなると、修理の受付を終えるという説明もありました。レグザの「修理診断ナビ」も、形名と症状を選ぶと、約5分で故障の診断と修理の概算費用を確認できるとしています。
なお、煙が出る、焦げたようなにおいがするなど、いつもと違う異常があるときは、使い続けずにメーカーの案内に従ってください。
引用: https://support.sony.jp/electronics/support/articles/00232307
引用: https://www.regza.com/support/repair-diagnosis
引用: https://www.aeha.or.jp/safety/faq/faq.php?cat=60
部品の保有期間は「製造打ち切りから8年」
確認した5社は、いずれもテレビの補修用性能部品を、その機種の製造打ち切りから8年保有するとしています。ただし、これは最低限の保有期間で、8年のあいだ必ず修理できるという保証でも、8年を過ぎたら必ず修理できなくなる線でもありません。
| メーカー | 確認した対象 | 起算点 | 保有期間 | 文書の時点 |
|---|---|---|---|---|
| Panasonic | テレビ | 製造打ち切り | 8年 | ページ内に更新日の表示なし |
| Sony | テレビ ブラビア | その機種の製造打ち切り | 8年 | 2025年7月現在 |
| SHARP | 液晶カラーテレビ・カラーテレビ | その製品の製造打ち切り | 8年 | 2020年6月現在 |
| TVS REGZA | RGB Mini LED レグザのカタログ掲載製品 | 製造打ち切り | 8年 | 2026年7月現在 |
| Hisense | テレビ | 製造打ち切り | 8年 | 2025年3月6日更新 |
※2026年10月22日に各社の公式ページ・カタログで確認。REGZAはRGB Mini LEDのカタログ(ZX1R/ZX1S/ZX2S/ZX3S)に載っている製品の範囲です。ソニーとREGZAは、状況によって修理の代わりに製品交換などをお願いする場合があるとしています。
部品の期間は、お手元のテレビの型名がいつ製造を終えたかが分からないと数えられません。型落ちや生産終了のモデルを買った場合は、購入した時点ですでに期間が進んでいることもあります。結局のところ、確かめるべきなのは年数の計算より、型名で調べた修理の受付状況です。
引用: https://panasonic.jp/support/repair/warranty.html
引用: https://www.sony.jp/support/cs/admi/parts/
引用: https://jp.sharp/support/safety/repairparts.html
引用: https://www.regza.com/dam/jcr%3Af80e5474-c750-41c3-adb0-85737be54a21/RGB%20Mini%20LED_Catalog.pdf
引用: https://faq.hisense.co.jp/faq/show/5198
私自身の場合:テレビを替える前は、スティックで補っていた
私自身、今リビングで毎日使っているのはBRAVIA K-55XR80です。その前は、古いテレビにFire TV Stick 4K Maxをつないで、動画アプリを大きな画面で見ていました。
映像そのものに問題がなく、困っているのが「見たいアプリがない」「動作が重い」ことだけなら、テレビごと替える前にストリーミング端末を足すという選択肢もあります。Fire TV Stickの各モデルの違いは、別の記事で整理しています。
一方、修理の受付が終わっていたり、見積りが高かったりして買い替えると決めたなら、次は年数ではなく機能で選ぶ段階です。同じ55インチのREGZAでも、価格差が14万円ある2機種を比べると、何にお金を払うのかがはっきりします。
よくある質問
- Qテレビの寿命は10.8年なのですか?
- A
いいえ。10.8年は、2026年3月調査でテレビを買い替えた二人以上の世帯が、前のテレビを使っていた年数の平均で、テレビが壊れるまでの年数ではありません。
- Q10年を過ぎたら買い替えるべきですか?
- A
統計から買い替えの期限は決められません。症状、型名ごとのメーカーの修理受付、保証、見積り、欲しい機能をそろえてから判断するのが確実です。
- Q液晶より有機ELのほうが寿命は短いですか?
- A
消費動向調査はテレビをひとつの品目として集計しているため、液晶と有機ELの寿命は比べられません。この記事では、出典をたどれない時間数も載せていません。
- Q部品の保有期間が8年なら、買ってから8年で修理できなくなりますか?
- A
起算点は購入日ではなく、その機種の製造打ち切りです。しかも最低限の保有期間なので、実際に修理できるかは、型名でメーカーの受付状況を確かめる必要があります。
- Q「故障70.8%」は、7割のテレビが壊れるという意味ですか?
- A
違います。2026年3月調査でテレビを買い替えた二人以上の世帯のうち、主な理由に「故障」を選んだ世帯の割合で、使っているテレビ全体の故障率ではありません。
- Q20年使っているテレビは、使い続けても大丈夫ですか?
- A
平均の年数から、個々のテレビの状態や安全性は判断できません。煙や焦げたようなにおいなど、いつもと違う異常があるときは、使い続けずにメーカーの案内に従ってください。
調査方法とデータのダウンロード
この記事の数値は、内閣府「消費動向調査」の公表値を、4つの資料で1セルずつ照合して使っています。トータルナビが新たに推計した値はありません。
- 対象: 二人以上の世帯(2016年3月より前は「一般世帯」)の、2005〜2026年の各年3月調査、22回。各回の対象は前年4月〜当年3月の買い替え
- 項目: テレビ(2025年までは「カラーテレビ」)の買い替え前平均使用年数と、買い替え理由4区分(故障・上位品目への移行・住居の変更・その他)
- 照合: e-Statの長期時系列表、各年の結果表、2026年3月調査の本文PDF(時系列表6表)、過去の転記値の4資料で、22回×5項目の110セルがすべて一致(2026年10月22日)
- 買い替えた世帯数: 2014〜2026年の13回は取得。2005〜2013年の9回は、参照した原表にテレビを買い替えた世帯の数がないため未取得
- 計算: 年数の差は終了年の値−開始年の値、割合の差は同じく引き算(単位はポイント)。最長は22回の公表値の中での最大で、統計的な有意差の検定はしていない
- 除外: 1992〜2004年の値は、買い替えの調査が毎年3月の年1回になる前の期間のため、主な系列に含めていない
- 2013年の試験調査: 内閣府「消費動向調査(試験調査)の概要」(2013年5月15日公表)の図表2-8から転記。22回の主な系列には混ぜていない
- 方法論: バージョン1.0.0(2026年10月22日)
調査方法の変更は次のとおりです。
| 時点 | 変更の内容 | 反映される調査年 |
|---|---|---|
| 2005年3月 | 買い替えの調査が毎年3月の年1回に | 2005年(主な系列の起点) |
| 2013年4月 | 訪問留置から郵送へ(設計上の標本は6,720→8,400世帯) | 2014年 |
| 2016年3月 | 「一般世帯」から「二人以上の世帯」へ改称(名称のみ) | 2016年 |
| 2017年3月 | 回答の精度を上げるため買い替えの調査票を変更 | 2017年 |
| 2018年10月〜2019年12月 | 郵送・オンライン併用を順に導入 | 2019年は移行の途中、2020年は移行後 |
| 2020年4月 | 新しく調査する世帯への初回の訪問をやめ、郵送に | 2021年 |
| 2025年3月 | 初回の世帯もオンラインで回答できるように | 2025年 |
| 2026年3月 | 「カラーテレビ」から「テレビ」へ改称(定義の変更なし) | 2026年 |
主な出典は次のとおりです(いずれも2026年10月22日に確認。内閣府の用語の解説と試験調査の概要は10月24日にも確認)。
- 内閣府 消費動向調査(統計表一覧): https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html
- 内閣府 2026年3月調査 本文PDF: https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/honbun202603.pdf
- e-Stat 長期時系列表: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040443743&fileKind=0
- e-Stat 2026年3月調査(二人以上の世帯): https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040443714&fileKind=1
- e-Stat 2026年3月調査(単身世帯): https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040443719&fileKind=1
- e-Stat 2026年3月調査(総世帯): https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040443724&fileKind=1
- 内閣府 用語の解説: https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi_yougokaisetsu.html
- 内閣府 消費動向調査(試験調査)の概要: https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shiken2012/shiken_summary.html
各年の結果表のURLと、長期時系列表のセルの位置は、下のCSVに1行ずつ入れています。
データ利用: 本記事でトータルナビが集計・整理した表と数値は、出典として本記事へのリンクを記載いただくことで引用いただけます。引用の際は、「二人以上の世帯」「何年3月調査か」と、故障までの寿命ではないことを添えていただけると、数字がひとり歩きせずに済みます。
この記事は、2027年3月調査の結果が公表されたら、23回目の値と調査方法の変更を確かめて更新します。
まとめ
テレビの寿命として広まっている10.8年は、2026年3月調査でテレビを買い替えた二人以上の世帯が、前のテレビを使っていた年数の平均でした。22回の中では最も長い値ですが、テレビが何年で壊れるかを示す数字ではありません。
- 10.8年は買い替えまでの年数: 二人以上の世帯・2026年3月調査。総世帯は10.7年、単身世帯は10.5年
- 2014年の6.3年は調査方法の境目: 郵送に切り替わった最初の回で、2013年の試験調査では訪問7.9年・郵送5.5年の差があった
- 故障を理由にした買い替えは16.2%から70.8%へ: 2010〜2012年は「その他」が膨らんだ時期。ただし理由の構成比で、故障率ではない
- 部品の保有期間は製造打ち切りから8年: 購入からではなく、10.8年と引き算もできない
- 修理か買い替えかは型名で決まる: 年数より、メーカーの修理受付・見積り・欲しい機能を確かめる
10年を超えたテレビでも、調子に問題がなければ急いで替える理由にはなりません。不調が出ているなら、修理の受付と見積りを確かめてから買い替えを考える。アプリだけが足りないなら、ストリーミング端末を足すことも検討する。年数ではなく、困っていることから判断するのが近道です。
私自身、リビングでBRAVIA K-55XR80を毎日使っています。22回分のデータを並べてみて、手元のテレビの替え時を平均の年数で決める理由はないと感じました。まずは今のテレビの型名を控えて、メーカーの診断ページで修理の受付状況を確かめてみてください。


