【最大420W】ソニー ULT TOWER 7 徹底解説|XLR搭載で用途が変わった

4.0
ソニー ULT TOWER 7(SRS-ULT700)の外観 オーディオ
ULT TOWER 7(SRS-ULT700)。前面のライティングリングが光る大型ワイヤレススピーカー。引用: https://www.sony.jp/active-speaker/products/ULT_TOWER7/

大型のパーティースピーカーは、正直なところ「買う人が限られる製品」だと思っていました。22kgもある箱をどこに置くのか、年に何回鳴らすのか。その割に値段は張る。ところがソニーが2026年9月18日に発売する ULT TOWER 7(型番 SRS-ULT700)の仕様表を眺めていて、少し見方が変わりました。

XLR の入出力が付いています。RCA も、USB-C も。前モデルにあたる SRS-XV800 にはなかった端子です。ソニー自身も「2台のスピーカーを使ったステレオ構成や、複数台展開による本格的な音響セットアップにも対応」と書いていて、想定している使われ方が明らかに広がっています。

市場推定価格は税込 85,000円前後。直径約280mmの新開発ウーファーを積み、最大420Wの出力を持ちます。この記事では、SRS-XV800 から何が変わったのか、上位の ULT TOWER 9 とはどう違うのかを整理します。ぜひ最後までご覧ください。

ULT TOWER 7 の主なスペック

項目仕様
型番SRS-ULT700
発売日2026年9月18日
価格オープン価格(市場推定 税込85,000円前後)
方式3wayシステム/バスレフ方式/360° Party Sound
ウーファー直径約280mm × 1(新開発の円形ユニット)
ミッドレンジ直径約120mm × 2
トゥイーター前面 直径約50mm × 2/背面 × 2
アンプS-Master(デジタルアンプ)・最大420Wの出力
バッテリー約30時間(10分充電で約180分再生/満充電 約3時間)
BluetoothVer.5.3/SBC・AAC・LDAC/最大通信距離 約30m
入力XLR入出力、RCA、USB Type-C、USB Type-A、マイク(φ6.3mm)
防滴IPX4相当(縦置き時・防水カバー閉のみ
サイズ・質量約421×710×347mm/約22.8kg

電源は AC コードです。USB Type-C 端子は搭載していますが、ここから本体を充電することはできません。逆に、USB-A / USB-C からスマートフォンへのおすそ分け充電(5V 1.5A)には対応します。

ULT TOWER 7 のバッテリー持続時間を示した図
バッテリーは約30時間。10分の充電で約180分ぶん再生できる。引用: https://www.sony.jp/active-speaker/products/ULT_TOWER7/

防滴の条件は少し独特です。IPX4 相当の性能は縦置きで、かつ防水カバーが正しく閉じられている場合にのみ適用され、横置き時の防滴性能は保証されません。屋外で横に寝かせて使うつもりなら、ここは把握しておいてください。等級表記の読み方そのものは、別途まとめています。

XLRとRCAが付いたことで、置き場所の話が変わった

ここが本機でいちばん大きな変更です。従来のパーティースピーカーは、Bluetooth でスマホをつないで鳴らす機器でした。ULT TOWER 7 は、そこに業務用の入口を足しています。

XLR は入力だけでなく出力(スルーアウト)も持ちます。つまり複数台を数珠つなぎにできる。RCA 入力はソニー自身が「DJ機器などの外部音響機器と接続」と説明していて、想定は明確です。USB-C は PC やスマートフォンとの接続に対応し、実質的な USB DAC として振る舞います。

一方で、光デジタル入力とステレオミニ入力は仕様表から消えました。上位の ULT TOWER 9 には光デジタルとステレオミニの両方があります。ギター入力もありません(TOWER 9 と ULT FIELD 7 は「ギター/マイク端子」を持ちますが、本機は「マイク端子」のみです)。

テレビにつないで日常的に使いたい人にとっては、光デジタルの廃止は実用上の後退になります。「家に据えるスピーカー」から「持ち出して鳴らすスピーカー」へ、軸足を寄せた結果だと読むのが自然でしょう。

Party Chain は、最大100台まで届く

複数台連携の仕組みも入れ替わりました。従来の「パーティーコネクト」に代わり、Party Chain が新搭載されています。

Auracast ブロードキャストを使い、対応するソニー製スピーカーを最大100台まで無線接続して、音楽とライティングを同期させる機能です。音量・サウンドモード・ライティング・カスタムEQまで連動します。

ULT TOWER 7 を屋外で使っている様子
屋外での使用を想定した設計。ただしIPX4相当の防滴は、縦置きで防水カバーを閉じた状態でのみ有効になる。引用: https://www.sony.jp/active-speaker/products/ULT_TOWER7/

従来のパーティーコネクトとの決定的な違いは、扱える音源の範囲です。パーティーコネクトが Bluetooth 音源だけを共有していたのに対し、Party Chain は USB-A / USB-C / XLR / RCA から入った音源も共有できます。XLR 搭載とセットで見ると、狙いが一貫しているのが分かります。

ただし注意が2つ。Party Chain 使用時の Bluetooth コーデックは SBC のみです。そして2026年9月2日の発表時点で、Party Chain に対応するのは ULT TOWER 7 のみ。現状は「将来のための仕込み」という側面が強い機能です。

サウンドモードに FLAT と LIVE が増えた

重低音の切り替えは、本体正面の ULT ボタンで行います。このボタンはダイヤルを兼ねていて、音量調整もできます。

モードソニーの説明
ULT1心地よく響く深い重低音とクリアなボーカル
ULT2身体に響くような迫力のある低音と、輪郭が際立つ中高域
FLAT音源本来のサウンドを忠実に再現(新搭載)
LIVEライブ会場のような広がり(新搭載)

上位の ULT TOWER 9 は「OFF / ULT1 / ULT2」の3段階でした。本機では OFF が廃され、代わりに FLAT と LIVE が入っています。イコライザーも 7バンドから10バンドへ拡張されました。上位機より後発なぶん、こうした細かいところが先に新しくなっています。

なお工場出荷時、ULT ボタンに割り当てられているのは ULT1 / ULT2 / FLAT の3つで、LIVE は未割り当てです。使いたい場合は「Sony | Sound Connect」アプリから割り当て直す必要があります。

ライティングは BEAT(リズムに合わせて高揚感を演出)、WAVE(パーティー空間になじむ)、MELLOW(ゆったり楽しむ場向け)の3モード。電源のオンオフや音量調整、バッテリー残量低下といった状態通知もライティングで行われます。

カラオケまわりは本体だけで完結する

マイク入力は φ6.3mm が1系統。主音量とは別のダイヤルでマイク音量を調整できます。そして本体にエコーボタンとキーコントロールボタンが付いています。アプリを開かずに、曲のキーを変えられるということです。

ボーカルキャンセルは「Sony | Sound Connect」アプリ経由で、マイクを接続した状態なら手持ちの楽曲をオフボーカルで再生できます。ワイヤレスマイクは付属しません。

気になるポイント

22.8kgという質量は、素直に重いです。四隅にキャリーハンドルがあり、キャスターも SRS-XV800 比でホイールのサイズと幅が拡大されていますが、階段のある家では移動そのものが行事になります。421×710×347mm というサイズも、リビングに常設するなら事前に置き場所を測っておいたほうがいいでしょう。

420Wの内訳は公表されていません。ソニーの公式表現は「最大420 Wの出力」で、仕様表に「実用最大出力」という項目自体がありません。他機種との出力比較は、測定基準が揃っているか分からないまま行うことになります。

前モデルは ULT TOWER 10 ではありません。海外には ULT TOWER 10(SRS-ULT1000)がありますが、これは北米向けでバッテリー非搭載のAC駆動専用機です。日本国内での前モデルは SRS-XV800、3年4か月ぶりのモデルチェンジになります。

そして光デジタル入力の廃止。先述のとおり、テレビ接続を主用途に考えていた人には効いてくる変更です。

どんな人におすすめか

  • 屋外やイベントで鳴らす人: 約30時間のバッテリー、キャスター、IPX4(縦置き)。想定されている本命の用途です
  • DJ機材や外部音響とつなぎたい人: XLR入出力とRCA入力を持つ大型ワイヤレススピーカーは、この価格帯では貴重です
  • 家でカラオケをやる人: エコーとキーコントロールが本体ボタンで完結します
  • テレビにつなぎたい人: 光デジタルがないので、上位の ULT TOWER 9 を検討したほうがいいかもしれません
  • 持ち運びを重視する人: 22.8kgです。ULT FIELD 7(約6.3kg)のほうが現実的でしょう

よくある質問(FAQ)

Q
価格はいくらですか?
A

オープン価格で、市場推定価格は税込85,000円前後です。ソニーストアの先行予約価格は84,700円、価格.comの最安は80,850円でした(2026年9月13日時点)。

Q
ULT TOWER 9 との違いは?
A

TOWER 9 のほうが大型(約29.6kg)で光デジタル入力とギター入力を持ちます。TOWER 7 は XLR / RCA / USB-C と Party Chain、10バンドEQ、FLAT・LIVEモードが新しい点です。

Q
テレビにつなげますか?
A

光デジタル入力がないため、テレビ側の出力がRCAかUSB-Cでないと直結できません。TV Sound Booster の記載も本機にはありません。

Q
バッテリーはどのくらい持ちますか?
A

約30時間です(ULT1/ULT2オン、音量17、ライティングオフというソニー規定の条件下)。10分の充電で約180分ぶん再生できます。

Q
雨の日に屋外で使えますか?
A

IPX4相当ですが、縦置きで防水カバーを閉じた状態でのみ適用されます。横置き時は保証対象外です。

まとめ:置いて鳴らす箱から、つないで鳴らす機材へ

ULT TOWER 7 でいちばん変わったのは、ウーファーの口径でも出力でもなく、背面の端子だったと思います。XLR と RCA が付き、Party Chain が XLR 経由の音源まで共有できるようになった。ここまで来ると、もはやパーティースピーカーというより小規模なPA機材に近づいています。

要点を整理します。

  • 市場推定85,000円前後、2026年9月18日発売。前モデルは SRS-XV800
  • XLR入出力・RCA・USB-Cを新搭載。複数台のステレオ構成や外部音響との接続に対応
  • Party Chain で最大100台。ただし現時点の対応機は本機のみ、コーデックはSBC
  • 光デジタルとギター入力は非搭載。テレビ接続主体なら上位機を検討したい
  • IPX4は縦置き+カバー閉のみ。横置きは保証対象外

私自身、リビングでは BRAVIA に小型サウンドバーを足して済ませている人間なので、22.8kgのスピーカーを日常的に動かす生活は正直まだ想像できません。ただ、この製品が売ろうとしているのは音そのものより「鳴らせる場所の広さ」なのだと考えると、端子まわりの充実は納得のいく方向です。人が集まる場所に持ち出す予定があるなら、選ぶ理由ははっきりしています。発売は9月18日です。

項目別評価

大型ワイヤレススピーカーというカテゴリの中での相対評価として採点しました。

  • 音質:★★★★☆ 4.5(直径約280mmウーファー+3way、最大420W、LDAC対応)
  • 拡張性:★★★★☆ 4.5(XLR入出力・RCA・USB-C、Party Chainで最大100台)
  • バッテリー:★★★★☆ 4.5(約30時間、10分充電で約180分再生)
  • 取り回し:★★★☆☆ 3.0(22.8kg、IPX4は縦置き限定、光デジタル廃止)
  • コスパ:★★★★☆ 4.0(実勢約8万円。競合のJBL PartyBox Stage 320は240W)
  • 総合:★★★★☆ 4.0

プログラマー。高校時代のWALKMAN+Sonyイヤホンをきっかけに、10年以上にわたってオーディオを中心にガジェットを買い続けています。SONY XBA-A3は今も現役で愛用、Sonyワイヤレスイヤホンは3世代追いかけて進化を体感してきました。得意領域はイヤホン・ヘッドホン、4K有機ELテレビ、ゲーミングマウス、PC周辺機器。「自分が本気で買うつもりで判断軸を作る」スタンスで、後悔のない買い物のための情報を発信しています。

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