この記事は2026年8月2日に全面改稿しました。 初出は2026年4月24日で、当時は日本未発売・並行輸入前提という状況でした。その後2026年7月8日に日本で正式発売され、私自身も購入して使い始めています。実機を手にしたうえでの評価に書き換えます。
結論から書くと、このスマートフォンは3倍以上の望遠で真価を発揮します。逆に1倍の広角や近距離の撮影では、併用しているiPhone 17 Pro Maxのほうが素直に良い絵を出すことが多い。被写体が遠くなるほどFind X9 Ultraのきめ細かさが効いてくる、というのが数週間使っての実感です。
一方で、日本で使ううえで無視できない弱点もあります。FeliCa(おサイフケータイ)に非対応という点です。ここは購入前に必ず確認しておくべき部分でしょう。
製品スペック(日本正式版)
まず日本版の仕様を整理します。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 型番 | CPH2841 |
| 発売日 | 2026年7月8日 |
| 価格 | 274,800円(税込)/実売は約248,800円 |
| RAM/ストレージ | 12GB/512GBの1構成のみ |
| SoC | Snapdragon 8 Elite Gen 5 |
| ディスプレイ | 約6.8型 QHD+(3,168×1,440)AMOLED/1〜120Hz可変・最大144Hz/最大1,800nit |
| メインカメラ | 約2億画素 F1.5(1/1.12型 Sony LYT-901) |
| ポートレート望遠 | 約2億画素 F2.2/光学3倍(1/1.28型 OmniVision OV52A) |
| 超望遠 | 約5,000万画素 F3.5/光学10倍(Samsung ISOCELL JNL) |
| 超広角 | 約5,000万画素 F2.0(画角123°) |
| バッテリー | 7,050mAh |
| 充電 | 有線100W SUPERVOOC/無線50W AIRVOOC(付属ACアダプターは80W) |
| 防水防塵 | IP68/IP69 |
| サイズ・重量 | 約163×77×9.1mm/約236g |
| OS | ColorOS 16(Android 16ベース) |
| FeliCa | 非対応(NFCのみ) |
| カラー | ツンドラアンバー、キャニオンオレンジ |
センサー型番と35mm換算の焦点距離(広角23mm/望遠70mm/超望遠230mm)はGSMArenaのレビューによるもので、OPPO Japanは公表していません。
なお表の「HDR」まわりの用語については、以下の記事で整理しています。
日本で普通に買えるようになった
初出時点でいちばん大きな障壁だったのが、日本未発売という点でした。当時は中国版かEU版の並行輸入しか手がなく、技適マークが付かないため電波法上のグレーゾーンで運用することになり、故障時は海外の購入元へ国際配送するしかありませんでした。
この前提は完全に消えました。
日本正式版は技適を取得済みで、5Gはn79を含む国内バンドをほぼフルにカバーしています。VoLTEの動作確認もドコモ・au・ソフトバンク・UQ mobile・Y!mobile・楽天モバイルで取れており、SIMはnanoSIM×2/nanoSIM+eSIM/eSIM×2のいずれにも対応します。
購入先も複数あります。
- OPPO公式オンラインストア: 274,800円
- Amazon(OPPO公式店): クーポン適用で約250,068円
- ソフトバンク「SoftBank Free Style」: 269,808円。SIMフリー版のオープン販売で、回線契約者には月額5,621円×48回の分割も
- IIJmio: 8月7日発売。通常272,800円、MNPなら247,800円
- 価格.com最安: 約248,800円(17店舗)
ドコモ・au・楽天モバイルでの取り扱いは確認できていません。
望遠は3倍から本領を発揮する
ここが本題です。
このスマートフォンは望遠を2本持っています。光学3倍(約70mm)の約2億画素と、光学10倍(約230mm)の約5,000万画素です。3倍側は1/1.28型という、他社のメインカメラ並みの大型センサーを積んでいます。
実際に使っていて明確に感じるのは、3倍を超えたあたりから描写の質が一段変わることです。1倍で撮った写真と3倍で撮った写真を並べると、後者のほうが被写体の輪郭や質感がしっかり出ている。なお私の場合、常用しているのは3倍側で、光学10倍を使う機会は多くありません。10倍の評価については後述する各媒体のレビューを参照してください。
被写体が遠くなるほど、この機種の強みが効いてくるという感覚です。
実際に3倍で撮った1枚
実例を出します。以下は光学3倍(70mm相当)を約2億画素モードで撮った1枚です。デジタルズームは使っていません。

web掲載用に長辺1,600pxへ縮小しているので、この状態では画面左下寄りの建物に何と書いてあるかまでは読めません。ところが元データから等倍で切り出すと、こうなります。

ISO50・1/407秒という好条件ではありますが、離れた被写体の文字がここまで残るのが3倍側の実力です。なおこの建物は、次の節で夜景を載せているのと同じ建物を、別の場所から遠目に捉えたものです。正面から寄って撮るのではなく、離れた場所から引き寄せる——この使い方でこそ本機は活きます。
この実感は、客観的な指標とも一致していました。DXOMARKのテストでFind X9 Ultraは総合170点で世界3位、そのうちTelephoto(望遠)173点とBokeh(ボケ)185点はいずれも世界最高スコアです。望遠に振り切った設計が、そのままスコアに出た形でしょう。
各媒体の評価も揃っています。ASCIIのプロによる実写レビューは10倍について「超望遠でもピントはバッチリ」とし、デジタルズームで690mm相当まで「ほとんど画質劣化を感じさせない」と書いています。マイナビニュースも230mmを「とても精細」と評価していました。
iPhone 17 Pro Maxとの使い分け
私はiPhone 17 Pro Maxを併用しています。両方を持ち歩いていると、得意な領域がはっきり分かれているのが分かります。
1倍の広角と近距離は、iPhoneのほうが素直です。 撮ってそのまま出せる絵になりやすく、色も破綻しません。テーブルの上の料理や、目の前の人を撮るような場面では、私はiPhoneを取り出します。
とはいえ1倍が弱いという話ではありません。以下は夜9時すぎに手持ちで撮った1枚で、ISO1600・1/60秒という条件ですが、看板の文字も建物のパネルの継ぎ目も破綻していません。1倍でも十分に撮れる、そのうえで3倍以降に伸びしろがある、という理解が正確です。

3倍を超えたあたりから逆転します。 遠くの被写体を寄せて撮るなら、Find X9 Ultraのほうが明らかに情報量が多い。同じ距離の同じ被写体でも、細部の残り方が違います。
つまり「距離」で使い分けるのが実用的です。手が届く範囲はiPhone、離れた被写体はFind X9 Ultra。この切り分けにしてから、どちらを構えるか迷わなくなりました。
なおiPhone 17 Pro Maxの詳細はこちらにまとめています。A19 ProとVapor Chamberによる長時間性能、全レンズ48MP化の実力、Scratchgateなどの弱点まで整理しているので、併用を検討している方はあわせてご覧ください。
手軽さではiPhoneに及ばない
正直に書いておくべき部分です。iPhoneほどの手軽さはありません。
カメラを起動して構えて撮る、という一連の動作の軽さで言えば、iPhoneのほうが上です。Find X9 Ultraは撮れる絵の幅が広いぶん、どのレンズを使うか、どのモードで撮るかという判断が挟まります。撮ろうと思って撮るカメラであって、とっさに出して押すカメラではない、という印象です。
これは欠点というより性格の違いだと思っています。ただ「スマホのカメラが良くなったから一眼を持ち歩かなくて済む」という期待で買うと、想像していたのと違う、となる可能性はあります。
重量も効いてきます。約236gは下位モデルのFind X9(203g)から30g以上重く、片手で長時間構えるとそれなりに感じます。
Hasselblad Earth Explorer Kitは常用向きではない
別売の望遠アクセサリー「OPPO Find X9 Ultra Hasselblad Earth Explorer Kit」(59,800円・税込)についても触れておきます。
焦点距離300〜1380mm、16枚構成の全ガラス球面レンズで、本体の10倍と合わせて光学13倍相当。デジタルズーム併用なら4000mm超にも届きます。スペックだけ見れば圧巻です。
ただし日本の各媒体の評価は揃って慎重でした。
- ASCIIは「手軽さの面でも光学10倍望遠カメラに軍配が上がる」と、本体の望遠のほうが実用的だと結論
- マイナビニュースは「装着すると他のレンズに干渉して広角などが撮影できなくなる」「かさばり、持ち歩くのがかなり面倒」と指摘
- 週刊アスキーはケース装着→当て板→レンズ装着という多段階のセットアップを挙げ、「じっくり撮影に出かけたときに使うのがよさそう」と評価
つまり日常的に持ち歩くアクセサリーではないというのが共通見解です。59,800円という価格も踏まえると、まず本体だけで使ってみて、必要性を感じてから検討する順序が現実的でしょう。
カメラ以外の実力
カメラばかり語られる機種ですが、それ以外も上位機として不足はありません。
処理性能はSnapdragon 8 Elite Gen 5で、AnTuTuは日本版の実測で約387万点(通常モード)。同じFind X9シリーズでもDimensity 9500の無印が約326万点なので、差は明確です。
ディスプレイは約6.8型のQHD+ AMOLEDで、1〜120Hzの可変駆動、最大144Hz、最大輝度1,800nit。最低輝度が1nitまで落ちるので、暗い部屋でも目に刺さりません。
バッテリーは7,050mAhと大容量で、有線100W・無線50Wの急速充電に対応します。ただし同梱のACアダプターは80Wなので、100Wを出すには別売のアダプターが必要です。細かい点ですが、100W対応を期待して買うと肩透かしになります。
防水防塵はIP68/IP69。等級の読み方はこちらで解説しています。
気になるポイント
購入前に知っておくべき点を、引っかかる順に挙げます。
FeliCa非対応は日本では痛い
最大の弱点です。 NFC(Type A/B)は搭載しているのでGoogleウォレット等によるクレジットカードのタッチ決済は使えますが、Suicaやモバイルなど、おサイフケータイ系は一切使えません。
しかも下位モデルのFind X9(無印)はFeliCaに対応しています。上位機だけ非対応という構図で、日本のレビューで最も繰り返し指摘されている点でもあります。競合のXperia 1 VIII・Galaxy S26 Ultra・iPhone 17 Pro Maxはいずれも対応しているので、ここは明確なハンデです。
価格が競合より高い
定価274,800円は、この価格帯で最も高い部類です。実売248,800円まで下がってようやくiPhone 17 Pro Maxの512GB(249,800円)と並ぶ水準になります。
発熱と動画
長時間の使用では発熱が指摘されています。実購入者からは「直射日光下で30分以上撮影すると最大輝度モードが止まる」という報告もありました。
動画については、GSMArenaが「全体的にソフト」「動画品質がUltraレベルに達していない」と明確に弱点として挙げています。DXOMARKでもVideo 161点は、写真175点・望遠173点に比べて見劣りする数字でした。静止画に振り切った機種と理解しておくのが正確でしょう。
OSアップデート保証が公式非公表
OPPO Japanはアップデート保証の年数を明示していません。OPPOラボは「OSアップデート5回・セキュリティ6年」、GSMArenaはグローバル版で「5年間」と伝えていますが、公式の裏付けがない状態です。長く使うつもりなら、購入時に販売店へ確認しておくと安心です。
競合と並べたときの立ち位置
同じ価格帯の国内で買える機種と並べます。
| 機種 | 実売価格(税込) | FeliCa | 望遠の構成 |
|---|---|---|---|
| OPPO Find X9 Ultra | 約248,800円 | 非対応 | 光学3倍+光学10倍 |
| Sony Xperia 1 VIII | 235,400円 | 対応 | 70mm固定(光学約2.9倍) |
| Apple iPhone 17 Pro Max 512GB | 249,800円 | 対応 | 光学100mm |
| Samsung Galaxy S26 Ultra | 約192,998円 | 対応 | 3倍+5倍 |
| Xiaomi 17 Ultra | 約178,000円 | 対応 | 可変絞り |
望遠だけを見ればFind X9 Ultraが頭ひとつ抜けています。 光学10倍を5,000万画素で持っている機種は他にありません。一方で、FeliCa非対応と価格の高さで、総合的な使いやすさでは競合に譲る場面が出てきます。
設計思想として面白いのは、Xperia 1 VIIIとの対比です。あちらは連続光学ズームを廃止して70mm固定+大型センサーに絞り込みました。Find X9 Ultraは3倍と10倍の2本を積んで焦点距離をカバーする方向です。同じ「望遠重視」でも真逆のアプローチで、どちらが自分の撮り方に合うかで選ぶ機種が変わります。
おすすめな人・おすすめできない人
おすすめな人
- 遠くの被写体を撮る機会が多い方。風景、建築、ステージ、スポーツ、野鳥など
- スマホのカメラに明確な用途があり、そのために重さと価格を許容できる方
- おサイフケータイを使っていない、または別の端末で済ませられる方
- iPhoneなど別のスマホと併用できる方。使い分けが前提なら弱点が問題になりません
おすすめできない人
- Suicaやおサイフケータイを日常的に使う方。ここは代替がききません
- 1台で全部済ませたい方。手軽さを求めるならiPhoneのほうが快適です
- 動画を主に撮る方。静止画ほどの完成度はありません
- 軽さを重視する方。236gは軽くありません
よくある質問(FAQ)
- Q日本で正式に買えますか?技適は付いていますか?
- A
買えます。2026年7月8日に日本正式発売され、技適も取得済みです。5Gはn79を含む国内バンドをほぼカバーし、VoLTEも主要6キャリアで動作確認が取れています。初出時点の「並行輸入するしかない」という前提はすでに解消されました。
- Qおサイフケータイは使えますか?
- A
使えません。FeliCaに非対応で、NFCのみの搭載です。Googleウォレット等のクレジットカードのタッチ決済は使えますが、Suicaなどは利用できません。なお下位モデルのFind X9(無印)はFeliCaに対応しています。
- Q望遠はどのくらい実用になりますか?
- A
光学3倍(約70mm)と光学10倍(約230mm)の2本を搭載しています。DXOMARKのTelephotoスコアは173点で世界最高でした。私が常用しているのは3倍側で、3倍を超えたあたりから描写の質が一段上がると感じます。10倍については使用頻度が高くないため、ASCIIやマイナビニュースの実写評価を本文で紹介しています。
- QiPhoneとどちらが良いですか?
- A
撮る距離で分かれます。1倍や近距離ならiPhone 17 Pro Maxのほうが素直で手軽、3倍以上の望遠ならFind X9 Ultraのほうが情報量が多い、というのが両方を使っている実感です。手軽さ重視ならiPhone、望遠重視ならFind X9 Ultraになります。
- Q別売の望遠キットは買うべきですか?
- A
まず本体だけで使ってみることをおすすめします。Hasselblad Earth Explorer Kitは59,800円と高価なうえ、装着すると他のレンズが使えなくなり、持ち運びも大がかりです。日本の各媒体も「常用向きではない」という評価で一致しています。
まとめ
OPPO Find X9 Ultraは、望遠に振り切ったことで明確な個性を得た一方、日本で使うには無視できない穴があるスマートフォンでした。
- 2026年7月8日に日本正式発売。技適取得済みで、並行輸入の前提は解消された
- 望遠は3倍から本領を発揮する。DXOMARKのTelephoto 173点・Bokeh 185点はいずれも世界最高
- 1倍や近距離ではiPhone 17 Pro Maxに分がある。距離で使い分けるのが実用的
- iPhoneほどの手軽さはない。撮ろうと思って撮るカメラ
- FeliCa非対応。下位のFind X9は対応しているだけに惜しい
- 別売の望遠キット(59,800円)は常用向きではない
現時点での評価
実機を使ったうえで、5項目で点数化します。
- カメラ:★★★★☆ 4.5(望遠は世界最高水準。ただし1倍・近距離と動画は競合に譲る)
- ディスプレイ:★★★★☆ 4.5(6.8型QHD+・144Hz・1,800nit。最低1nitも実用的)
- バッテリー・充電:★★★★☆ 4.5(7,050mAhと100W対応。ただし付属充電器は80W)
- 使い勝手:★★★☆☆ 3.0(FeliCa非対応、236g、手軽さはiPhoneに及ばない)
- コストパフォーマンス:★★★☆☆ 3.0(実売248,800円は競合より高い)
- 総合:★★★★☆ 4.0
私自身は、遠くのものを撮りたいという理由でこの機種を選びました。その一点においては期待どおりで、3倍以上でしか撮らないなら他に代わりがないとすら思っています。ただ、おサイフケータイが使えないぶん財布を持ち歩く場面が増えましたし、1台で全部を賄う端末としては勧めにくいのも事実です。
望遠という明確な目的があり、他の端末と併用できる方。この条件に当てはまるなら、満足度は高いはずです。逆に1台で完結させたい方は、素直にiPhoneかXperiaを選んだほうが幸せだと思います。






