水月雨 Moondrop Blessing 3は、2DD+4BAのハイブリッド構成を採用した高音質IEMで、オーディオファンから熱い視線を集めています。
この記事では、水月雨 Moondrop Blessing 3の魅力やスペック、音質傾向、使用感、そしておすすめできる理由を徹底的に解説します。水月雨 Moondrop Blessing 3は、クリアで広がりのある音場、繊細な高域、心地よい中域、そして歪みの少ない低域を実現し、まさにハイレベルな音を追求する人にぴったりなイヤホンです。この記事を読めば、水月雨 Moondrop Blessing 3が自分に合うイヤホンかどうかがきっとわかります。
水月雨 Moondrop Blessing 3

スペック一覧
項目 | 内容 |
---|---|
ドライバー構成 | 2 × 10 mm ダイナミックドライバー(水平対向 H.O.D.D.U.S)+4 × Balanced Armature(BA) |
周波数特性 | 10 Hz–30 kHz(可聴帯域20 Hz–20 kHz) |
インピーダンス | 14.8 Ω ±15%(@1 kHz) |
感度 | 120 dB/Vrms(@1 kHz) |
THD(全高調波歪み) | ≤ 0.5%(@1 kHz) |
コネクタ形式 | 0.78 mm 2-pin(リケーブル可能) |
プラグ | 3.5 mm 金メッキ ステレオミニ(標準添付ケーブル) |
シェル素材 | 医療用樹脂の3Dプリント(透明レジン)+CNC加工ステンレス製フェイスプレート |
ノズル外径 | 約5.8 mm |
ケーブル | 銀メッキOCC銅ケーブル(0.78 2-pin → 3.5 mm)、取り回し良好なオリジナル品 |
同梱品 | 本体、純正ケーブル、シリコンイヤーピース(S/M/L)、ジップケース、航空アダプタ、QC証明書、取扱説明書 |
ドライブしやすさ | 低インピーダンス&高感度でスマホや小型DAPでも駆動可能 |
音質特性 | 中高域が明瞭・透明、低域は控えめだがアタック感あり、全体に自然でフラット&広い音場 |
参考価格 | ¥53,100 |
音質傾向|中高域の解像感が魅力
水月雨 Moondrop Blessing 3は、全体的にフラットで自然な音作りを基調としながらも、中高域の透明感と分離性が際立っています。特に女性ボーカルやストリングス系の音が前に出てきやすく、音の輪郭が非常に明確です。低域はダイナミックドライバー由来の自然なアタック感を持ちつつも量感は控えめで、ブーミーさは一切感じません。音場は広めで、空間の奥行きも感じられます。
フィット感と装着性|長時間でも快適
医療用樹脂で形成されたハウジングは軽量で、耳へのフィット感も高く、装着していてストレスがありません。ノズルはやや太めですが、付属のイヤーピースでサイズ調整が可能です。遮音性も高く、外部音をしっかりと遮断してくれるので、通勤・通学でもしっかりと音楽に集中できます。
注目ポイント|Blessing 3の魅力
- H.O.D.D.U.S構成の2DDドライバーにより、歪みを抑えた自然な低音が得られる。
- **4基のBAドライバー(Knowles製)**で中高域の解像度を高め、細かなニュアンスも明瞭。
- 3Dプリント+ステンレスのハウジングはデザイン性と剛性を両立。
- 低インピーダンス・高感度設計でスマホや小型DAPでも鳴らしやすい。
- 高品質な銀メッキOCCケーブルが標準付属。取り回しも良好。
気になるポイント・注意点(懸念点)

① 低域の量感は控えめで好みが分かれる
Blessing 3は、2基のダイナミックドライバーによる低域再生が特徴ですが、その出音は“自然でタイト”な方向性であり、重低音の迫力を求めるリスナーにとっては物足りなさを感じる可能性があります。特にEDMやヒップホップのようなジャンルでは、もっと量感のある低域が欲しくなる場面もあります。
② ノズル径が太めで装着感にクセがある
ノズル外径は約5.8mmとやや太めで、耳穴が小さい方やタイトな装着感が苦手な方にはフィット感に違和感が出ることがあります。純正イヤーピースで調整できる範囲はありますが、自分の耳に合うイヤピを別途用意する必要があるかもしれません。
③ 高域がややシャープで耳に刺さる場面も
高解像・高分離がウリの中高域ですが、一部のレビューでは「高域が刺さる」「シビアすぎる」と感じる意見も見受けられました。特に録音状態の良くない楽曲では、エッジの強さが過剰に感じられる可能性があります。リスニング環境や音源の選定に注意が必要です。
④ ハイブリッド構成ゆえの位相ズレや音場の違和感
Blessing 3ではドライバー間の音のつながりに細心の設計が施されていますが、マルチドライバーIEM特有の“やや人工的な音場”や“定位の違和感”を感じる人もいます。特にシングルドライバーのナチュラルさに慣れている場合、最初は少し戸惑うかもしれません。
⑤ 約5万円台という価格設定はコスパ的に悩ましい
日本国内での販売価格は税込¥53,100。音質・設計から見れば妥当な価格帯ですが、1万円台〜3万円台でも優秀なIEMが増えている今、コストパフォーマンスの点で比較検討されやすい位置づけにあります。「もう少し出せば他ブランドのフラッグシップにも手が届く」という価格帯でもあるため、購入に際しては音傾向の好みとの一致が重要です。
こんな人におすすめ(想定読者)

音の解像度・定位感を重視する人
Blessing 3は、2DD+4BAのハイブリッド構成により、音の分離やディテール再現に非常に優れています。中高域の明瞭さや、ボーカルと楽器の定位の良さを重視する方に最適です。女性ボーカル、アコースティック、クラシックなどで真価を発揮します。
フラットで自然な音を好む“リスニング派”
低域が過剰にならず、中高域が伸びやかに再生されるチューニングは、いわゆる“リファレンス寄り”の音質。リスニングでも、細部までじっくり聴きたいというユーザーに向いています。長時間の試聴でも疲れにくい自然なバランスが魅力です。
DAPやスマホで手軽に高音質を楽しみたい人
Blessing 3は感度120dB/Vrms、インピーダンス14.8Ωと鳴らしやすく、専用アンプがなくてもスマートフォンや小型DAPでも十分な音質が得られます。手軽に高音質を楽しみたい人にもぴったりです。
カスタムIEMを検討していたが汎用品で済ませたい人
Blessing 3は医療用樹脂による精密な3Dプリントハウジングを採用しており、装着感や音響的な処理がカスタムIEMに近いクオリティを実現しています。「高価なカスタムはハードルが高いけど、装着感や音質は妥協したくない」という方におすすめです。
比較対象になりやすい製品

以下のような中価格帯~準フラッグシップ帯のIEMと比較検討されることが多いです:
- Moondrop Blessing 2 / Blessing 2: Dusk:前モデル。より中高域がクリアで音場も広いBlessing 3は完全上位互換。
- SeeAudio Yume Ultra:似た価格帯で解像感や定位が特徴。音の厚みはBlessing 3が上。
- Thieaudio Oracle Mk2:同じくハイブリッド構成の多ドライバーIEM。音場と空間表現は拮抗。
- Sennheiser IE300/IE600:ダイナミック型特有のナチュラルな音と比較して、より分析的なBlessing 3が対極に位置。
- qdc Uranus / Fiio FH9:中国系ブランドの上位IEMとの比較も多く見られます。
他モデルとの比較|Blessing 2との違いは?
Blessing 3は、前モデルのBlessing 2と比較しても、音の分離感や中高域の鮮明さで明らかな進化を遂げています。特にH.O.D.D.U.S構成による左右対称な低域のチューニングは、Blessing 2では味わえなかった立体感を生み出しています。シェルの質感やケーブルの品質も向上し、全体的にグレードアップしています。
まとめ
水月雨 Moondrop Blessing 3は、ハイブリッド6ドライバー構成と洗練された音響設計により、フラットで解像感に優れた音を楽しみたい方に最適なIEMです。
中高域の美しさと広い音場表現は、特にボーカルや楽器の細かなニュアンスを楽しみたいリスニングユーザーにとって魅力的です。¥53,100という価格設定は決して安くはありませんが、その性能と完成度を考えれば、価格に見合った価値があると感じます。もし「次のステップ」を考えているオーディオファンであれば、ぜひ一度試してみる価値がある一台です。