beyerdynamic MMX 150 Wirelessは、ドイツの名門オーディオメーカーbeyerdynamicが放つワイヤレスゲーミングヘッドセットです。
※重要:本記事で紹介するのは「MMX 150 Wireless」(ワイヤレスモデル)です。有線専用の「MMX 150」とは異なる製品ですのでご注意ください。
MMX 150 Wirelessの主な特徴は以下の通りです。
- 2.4GHz低遅延ワイヤレス+Bluetooth 5.3のデュアルワイヤレス接続
- 最大50時間のロングバッテリー
- 40mmドライバーによるスタジオグレードのサウンド
- META VOICEマイク搭載&Augmented Mode対応
この記事では、beyerdynamic MMX 150 Wirelessの音質、装着感、接続性、そして気になる点まで詳しく解説します。
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|製品概要・スペック
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|「Wireless」と有線版「MMX 150」の違い
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|40mmドライバーによるスタジオサウンド
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|定位感と空間表現
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|トライモード接続の柔軟性
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|META VOICEマイクの実力
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|Augmented Modeで外の音も聞こえる
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|快適な装着感と50時間バッテリー
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|気になるポイント・デメリット
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|こんな人におすすめ
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|競合製品との比較
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|よくある質問(FAQ)
- beyerdynamic MMX 150 Wireless|まとめ
beyerdynamic MMX 150 Wireless|製品概要・スペック

| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 製品名 | beyerdynamic MMX 150 Wireless |
| タイプ | 密閉型オーバーイヤーヘッドセット |
| ドライバー | 40mm ダイナミックドライバー |
| 周波数特性 | 20Hz〜20,000Hz |
| 接続方式 | 2.4GHz低遅延ワイヤレス(USBドングル)、Bluetooth 5.3、USB有線、3.5mmアナログ |
| 対応コーデック | LC3、SBC(Bluetooth時) |
| バッテリー駆動時間 | 最大50時間 |
| 充電端子 | USB-C |
| マイク | META VOICE(9.9mm大口径カプセル、単一指向性) |
| イヤーパッド | ベロア素材(メモリーフォーム内蔵) |
| 重量 | 約336g |
| 対応機器 | PC、PlayStation 5/4、Nintendo Switch、スマートフォン(Xbox Series X|Sは3.5mmアナログのみ対応) |
| カラー | ブラック |
beyerdynamic MMX 150 Wireless|「Wireless」と有線版「MMX 150」の違い
beyerdynamic MMX 150 Wirelessを購入する際、最も注意すべきは有線専用モデル「MMX 150」との混同です。名前は似ていますが、機能セットが大きく異なります。
| 比較項目 | MMX 150(有線版) | MMX 150 Wireless |
|---|---|---|
| 接続方式 | USB有線、3.5mmアナログ | 2.4GHzワイヤレス、Bluetooth 5.3、USB有線、3.5mm |
| 電源 | USBバスパワー | 内蔵バッテリー(50時間) |
| Augmented Mode | USB接続時のみ | ワイヤレス時も利用可能 |
| 重量 | 約304g | 約336g |
beyerdynamic MMX 150 Wirelessは、単にケーブルを省いただけでなく、**バッテリー駆動によりAugmented Modeなどの機能をあらゆる場所で使える「機能拡張版」**と捉えるべきです。
正直に言えば、自分がMMX 150 Wirelessを選ぶ最大の理由は、この「どこでも使える自由度」にあります。
beyerdynamic MMX 150 Wireless|40mmドライバーによるスタジオサウンド

なぜ50mmではなく40mmなのか
多くのゲーミングヘッドセットが50mm以上のドライバーをアピールする中、beyerdynamic MMX 150 Wirelessは40mmダイナミックドライバーを採用しています。
これはbeyerdynamicの音響哲学によるもの。大口径ドライバーは低音再生に優れる反面、振動板の重量増加により高音域の表現力や過渡応答(音の立ち上がり)が犠牲になりがちです。40mmという選択により、全帯域にわたるバランスの良いサウンドと、瞬発的な音の再現力を両立しています。
サウンドの特性
beyerdynamic MMX 150 Wirelessのサウンドシグネチャーは以下のように特徴付けられます。
低音域:ゲーミングヘッドセットにありがちな過剰なブーストを避け、タイトで引き締まった低音を実現。爆発音の迫力を損なわず、音階や質感まで聞き取れる解像度を確保しています。
中音域:beyerdynamic伝統のクリアな中域は、MMX 150 Wirelessでも健在です。ボイスチャットの声や足音が明瞭に聞こえ、FPSゲームでは敵の位置特定に大きなアドバンテージを得られます。
高音域:ベロアイヤーパッドとの相乗効果で、刺さるような鋭さを抑えながらも、空間の広がりや空気感を感じさせる繊細な表現力を持っています。
私自身、beyerdynamic MMX 150 Wirelessを使ってまず感じたのは、**「色付けのない自然な音」**という印象です。ゲーム音だけでなく、音楽鑑賞にも十分対応できるクオリティです。
beyerdynamic MMX 150 Wireless|定位感と空間表現

密閉型ながら、beyerdynamic MMX 150 Wirelessの音像定位(イメージング)精度は特筆すべきレベルにあります。
「右から音がする」という大まかな方向だけでなく、「右斜め後方の、自分より高い位置」といった精細な位置情報まで把握可能。左右ドライバーの特性が厳密にマッチングされ、ハウジング内部の音響制御が適切に行われている証拠です。
この精度の高さは、Apex LegendsやVALORANTといった競技性の高いFPSゲームにおいて実質的なアドバンテージをもたらします。
beyerdynamic MMX 150 Wireless|トライモード接続の柔軟性
2.4GHz低遅延ワイヤレス
beyerdynamic MMX 150 Wirelessには低遅延USBドングルが同梱されています。付属のUSB-Cドングルにより、人間の知覚限界に近い低遅延転送を実現。映像と音声のズレは知覚できないレベルで、有線接続と同等の感覚でプレイできます。
Bluetooth 5.3+LC3コーデック
beyerdynamic MMX 150 Wirelessは最新のBluetooth 5.3に対応し、次世代コーデックLC3をサポートしています。
LC3は従来のSBCと比較して、同じ音質ならより低いビットレートで伝送可能。これにより、50時間という長時間駆動に貢献しています。スマートフォンでの音楽再生や通話にも最適です。
対応プラットフォーム
| プラットフォーム | 推奨接続 | 備考 |
|---|---|---|
| Windows PC | USBドングル / USB有線 | 完全互換、全機能利用可 |
| PlayStation 5/4 | USBドングル | 低遅延接続可(マイク音量に注意) |
| Nintendo Switch | USBドングル / Bluetooth | ドック・携帯両対応 |
| スマートフォン | Bluetooth 5.3 | 音楽再生・通話に最適 |
| Xbox Series X|S | 3.5mmアナログのみ | ワイヤレス非対応 |
Xboxユーザーへの注意:beyerdynamic MMX 150 Wirelessは、Xbox本体とのワイヤレス接続に対応していません。コントローラーの3.5mm端子経由での有線接続となる点は、購入前に理解しておく必要があります。
beyerdynamic MMX 150 Wireless|META VOICEマイクの実力
beyerdynamic MMX 150 Wirelessには、9.9mm大口径カプセル採用のMETA VOICEマイクが搭載されています。
単一指向性(カーディオイド)の特性により、正面の声を集中的に拾い、キーボード打鍵音やPCファン音といった環境ノイズを物理的に減衰。マイクブームは着脱式で、外出時はすっきりとした外観で使用できます。
音質面では、一般的なゲーミングヘッドセットの「電話のような細い声」とは一線を画し、声の低域成分までしっかり拾う、存在感のある音声を届けられます。
PS5でのマイク音量問題について
ただし、複数のユーザーからPlayStation 5にUSBドングルで接続時、マイクの入力レベルが極端に低くなるという報告があります。
有線接続時には発生しないケースが多いため、PS5のUSBオーディオドライバとの相性問題と推測されます。ファームウェアアップデートでの改善が期待されますが、現状ではPS5でワイヤレス接続を検討している方はリスクとして認識しておく必要があります。
beyerdynamic MMX 150 Wireless|Augmented Modeで外の音も聞こえる
beyerdynamic MMX 150 Wirelessの大きな特徴が**Augmented Mode(外部音取り込みモード)**です。
イヤーカップ外面のマイクが周囲の音を収音し、ドライバーから再生。密閉型の高い遮音性を維持しながら、必要な時だけ開放型のように外の音が聞こえます。
実用シーン
- ゲーム中の会話:家族に話しかけられてもヘッドセットを外さずに対応可能
- 自己発声モニタリング:自分の声がフィードバックされ、無意識に大声を出してしまう問題を解消
- 環境認識:宅配便のチャイムや子供の泣き声など、聞き逃したくない音をキャッチ
有線版MMX 150ではUSB給電下でしか使えなかったこの機能が、MMX 150 Wirelessではバッテリー駆動により場所を選ばず利用可能になりました。これこそがワイヤレスモデルを選ぶ大きな理由です。
beyerdynamic MMX 150 Wireless|快適な装着感と50時間バッテリー
ベロアイヤーパッドの優位性
beyerdynamic MMX 150 Wirelessには、同社のアイデンティティとも言えるグレーのベロアイヤーパッドが採用されています。
合皮パッドと比較して通気性に優れ、長時間のプレイでも耳が蒸れにくいのが特徴。内部のメモリーフォームが側圧を分散し、装着感も良好です。側圧は「適度〜やや強め」との評価があり、使い始めはタイトに感じる場合もありますが、使用に伴い馴染んでいきます。
驚異の50時間バッテリー
beyerdynamic MMX 150 Wirelessの公称バッテリー駆動時間は最大50時間。1日3時間使用なら半月以上充電不要という計算になります。
第三者レビューでも公称値に近い、あるいはそれを上回る(68時間という報告も)駆動時間が確認されており、スペックの信頼性は高いです。充電はUSB-C経由で、急速充電にも対応しています。
beyerdynamic MMX 150 Wireless|気になるポイント・デメリット
beyerdynamic MMX 150 Wirelessを検討する上で、以下の点は事前に把握しておきましょう。
❶ PS5でのワイヤレス接続時、マイク音量が低い問題
前述の通り、PS5とUSBドングル接続時にマイク入力レベルが低くなる報告があります。有線接続なら問題ないケースが多いですが、PS5でワイヤレス運用を重視する方は注意が必要です。
❷ Xboxではワイヤレス接続非対応
Xbox Series X|SやXbox Oneではワイヤレス接続ができません。コントローラーの3.5mm端子経由での有線接続となるため、ワイヤレスヘッドセットとしてのメリットを享受できません。
❸ ANC(アクティブノイズキャンセリング)非搭載
beyerdynamic MMX 150 WirelessにはANCが搭載されていません。密閉型とベロアパッドによる自然な遮音性に頼る設計です。騒がしい環境でのノイズキャンセリングを重視する方には向かないかもしれません。
beyerdynamic MMX 150 Wireless|こんな人におすすめ
beyerdynamic MMX 150 Wirelessは以下のような方に特におすすめです。
✅ 音質に妥協したくないPC・PS5ゲーマー
ゲーミングだけでなく音楽鑑賞にも耐えうる高解像度サウンドを求める方に最適。競技性の高いFPSでの定位感も抜群です。
✅ 長時間プレイするコアゲーマー
蒸れにくいベロアパッド、336gの軽量設計、50時間バッテリー。長時間のレイドやランクマッチでもストレスなく使えます。
✅ 在宅ワークとの兼用を考えている方
META VOICEマイクの高音質とAugmented Modeにより、Web会議用デバイスとしても優秀。仕事とゲームで兼用したい方にぴったりです。
✅ 派手なデザインより質実剛健を好む方
RGBライティングやド派手な装飾はなし。プロフェッショナル機材らしい落ち着いたデザインで、仕事場にも馴染みます。
beyerdynamic MMX 150 Wireless|競合製品との比較
| 製品名 | 特徴 | MMX 150 Wirelessとの比較 |
|---|---|---|
| beyerdynamic MMX 200 Wireless | 上位モデル、合皮パッド、35時間バッテリー | バッテリーはMMX 150 Wirelessの方が長い(50h vs 35h)。ベロアパッド派ならMMX 150 Wirelessがおすすめ |
| SteelSeries Arctis Nova 7 | ANC搭載、多機能 | 機能は豊富だが、純粋な音質ではbeyerdynamicに軍配 |
| Audio-Technica ATH-M50xBT2 | モニターヘッドホンのワイヤレス化 | 低遅延ドングル非搭載でゲーム用途には不向き |
beyerdynamic MMX 150 Wireless|よくある質問(FAQ)
- QMMX 150 WirelessとMMX 150(有線版)の違いは?
- A
MMX 150 Wirelessは2.4GHzワイヤレスとBluetooth 5.3に対応し、50時間バッテリーを内蔵。Augmented Modeもワイヤレス時に使用可能です。有線版はUSB/3.5mm接続のみで、Augmented ModeはUSB接続時限定となります。
- QPS5で使えますか?
- A
使用可能です。付属のUSBドングルで低遅延ワイヤレス接続ができます。ただし、一部ユーザーからマイク音量が低いという報告があるため、ボイスチャットを重視する場合は有線接続を検討してください。
- QXboxで使えますか?
- A
Xbox Series X|Sではワイヤレス接続に対応していません。コントローラーの3.5mm端子に有線接続することで使用可能ですが、ワイヤレスの恩恵は受けられません。付属のアナログケーブルで接続可能です。
- QANC(ノイズキャンセリング)は付いていますか?
- A
ANCは搭載されていません。密閉型構造とベロアイヤーパッドによる自然な遮音性で外部ノイズを低減する設計です。
- Qマイクは取り外せますか?
- A
はい、マイクブームは着脱式です。外出時や音楽鑑賞時にはすっきりとした外観で使用できます。
- Qバッテリーはどのくらい持ちますか?
- A
公称で最大50時間です。第三者レビューでも公称値に近い、あるいはそれを上回る駆動時間が確認されています。
beyerdynamic MMX 150 Wireless|まとめ

beyerdynamic MMX 150 Wirelessは、ドイツの名門オーディオメーカーが本気で作った「本質追求型」のワイヤレスゲーミングヘッドセットです。
40mmドライバーによるスタジオグレードの音質、ベロアイヤーパッドによる長時間でも快適な装着感、そして50時間という驚異のバッテリー駆動時間。派手なギミックこそありませんが、ヘッドセットの本質的な価値を極限まで追求した製品と言えます。
PS5でのマイク音量問題やXboxでのワイヤレス非対応といった注意点はありますが、PC・PS5をメインで使い、音質と快適性を重視するゲーマーにとっては最高の選択肢となるでしょう。
beyerdynamic MMX 150 Wirelessはあなたのゲーミングライフを一段階上のレベルへと引き上げてくれるはずです。
